【1万円からはじめる暗号資産】東大が初参戦、リベンジ狙う北大と前年チャンピオンの明大に挑む!【暗号資産バトル 第1節】

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   今季の暗号資産バトルは、北海道大学と明治大学、東京大学が参戦。ふだんはCFD(差金決済取引)のテクニカル分析で腕を磨いてきた北大の花野直樹さん、イーサリアムの高騰に乗って利益を伸ばし、2021年の暗号資産バトルで堂々のトップとなったディフェンディングチャンピオン、明大の城正人さん、東大からは初めて、学生投資連合USIC代表でもある迫嵩明さんが参戦してきた。

   第1節、まずはそろりとスタート。明大がプラス発進となった。

ビットコイン、イーサリアム買われすぎ?(北海道大学 花野直樹さん)

   はじめまして。北大金融研究会に所属する花野直樹と申します。自分はふだんCFD(差金決済取引)で米国株指数のテクニカル分析を主に用いたトレードをしています。 ざっくりとした手法を書くと、(1)マクロ環境の確認、日足の確認で大まかなトレンドを把握(2)1時間足の値動きを見てエントリーを、基本に考えています。

   具体的には、1時間足200SMA(日足チャートの場合、200日間の価格の平均をグラフに表したもの)より値段が上にあるか下にあるかをまず確認。上にある場合は、直近(1時間足で見た)の安値を切り上げてるようなら、買い。下にある場合は、直近の高値を切り下げてるようなら、売りといった具合。簡単に言えば、MACD(マックディー)を使った順張りですね。

   仮想通貨特有のボラティリティの高さに合わせて改善が必要ですが、CFDで使っているこの手法は仮想通貨にも使えるのではないかと思っているので、ひとまずこの手法で勝負したいと思っています。

   また、仮想通貨の需給を読むのにオンチェーンのデータというものも活用できるようで、このデータの読み方もこの機会に身につけたいと思っています。

   今週はビットコインとイーサリアムの動きを観察していました。
週初めに1時間足で200MA(200日移動平均線。Moving Averageは移動平均線の略)を超えて大きく上昇しましたが、RSI(Relative Strength Indexの略。相対力指数)は買われすぎのラインに達しており、そのまま買いでついていくのはためらわれたので静観していました。その後にもみ合った後、週の始値まで落ちてきて6月3日(金)の引けを終えました。

   自分的には方向感がなかなかつかめないのですが、日足を見てみるとまだまだ下落トレンドの途中に見えます。引き続き、来週もエントリータイミングを探していきたいと思います。

   また、仮想通貨関連のニュースなどファンダメンタルズの要素も徐々に取り入れて執筆していけたらいいなと思っています。改めて、これからよろしくお願いいたします。
今週は取引なし。

1万円からの損益   プラス・マイナスゼロ
6月3日現在            1万円

◆ 池田昇太のワンポイントアドバイス
はじめまして。おっしゃる通り、ビットコインを日足チャートで見ると、下落トレンドは継続していて、トレンド転換する様子が見られていません。日足チャートで下落トレンドである場合、1時間足で上昇トレンドを確認できても長続きする可能性は低いので、タイミングを見て売り注文をかけるのも良いでしょう。
オシレーター系のRSIを使われているようでしたら、買い・売りポイントを探ることもできますので、ぜひ活用されるのをおすすめします。
仮想通貨のファンダメンタルでよくあるのはハッキング事件や規制報道、著名人による売買、アップデート、半減期など様々で、情報収集が大変かと思いますが、値動きを追う参考になるはずです。頑張ってください!
花野 直樹(はなの・なおき)
花野 直樹(はなの・なおき)
北海道大学工学部4年
北大金融研究会の所属。ふだんはテクニカル分析を使った株式の短期トレードをしています。やるからには1位をとれるよう、頑張ります!

まずは軽く「QTUM」でスタート(明治大学 城正人さん)

   明治大学の城正人です。本年も大学対抗! 暗号資産バトルに参加することになりました。2021年はイーサリアム価格の高騰にうまく乗ることができ利益を伸ばすことができました。今年もなんとか利益を確保し、上位に食い込みたいところ。

   しかし、市場環境は昨年ほど甘くはありません。長期的な運用であれば、ビットコインやイーサリアムなどの誰でも知っている仮想通貨(暗号資産)を買っておけば十分かと思いますが、今回の対決はあくまで半年間の短期勝負。慎重さ、冷静さを忘れずも、果敢に投資する必要があります。

   今回は初回ということで、自己紹介がてら今後の仮想通貨の展望、戦略についてお話したいと思います。

《仮想通貨への投資とプログラミング》
   私はプロフィールのとおり、数年間投資家として仮想通貨に関わってきて、ある程度仮想通貨とその関連技術に関する知識を深めることができたと考えています。しかし次第に、より深い理解と実践経験を積みたいと感じるようになりました。

   イーサリアムブロックチェーン上のものはすべて「コントラクト」と呼ばれる契約に基づいて動いています。コントラクトはetherscanなどのサイトで確認することができますが、solidityを読むことができなければ 悪意あるコードが含まれていても気付けないかもしれません。それは、たとえば「運営主体が勝手に資金を引き出すことができる機能がついている」などです。

   このように仮想通貨、NFT(非代替性トークン)への投資で詐欺に遭わないためにはある程度の知識が必要といえます。さらには、プログラムを勉強することで損失を防げるだけでなく利益も得やすくなります。

   取引所間の価格差を利用して稼ぐアービトラージ戦略、コントラクトに直接アクセスして早押し大会を制す「直コン」、USDCやJPYC(ステーブルコイン=通貨と価格が連動している仮想通貨。この場合は米ドル、日本円)などドルや円に連動するよう設計された「仮想通貨」が価格が変動した際に反対売買を行い差益を出す戦略など、どれをとってもプログラムを書く能力があれば格段に利益を出しやすくなります。私はプログラムに関する知識、経験を習得しておくのは急務だと感じました。

   もちろん、中央銀行による金融政策が金融引き締めへと転換した今2020年,2021年のように何を買っても大儲けの楽しい相場は期待できません。しかし、そんな今こそ勉強し、下地を作っておく「とっておきの機会」ではないでしょうか。

   そんな思いから、投資家として誰かの作ったアプリを利用するだけでなく、自らの手で作り上げたいと、自らDapp開発をスタートしました。

《今回の戦略について》
   さて、最近の相場観と今回の戦略についてですが、2022年はハッキリ言って儲からない年になると考えています。ボラティリティも小さくジリ下げ、時々思い出したかのように価格上昇するため、ショート(売り)もしづらい。もっとも、現段階のビットコインの水準は長期的に見ると圧倒的に安いため枚数集めの年になるだろうと考えています。

   逆に言えば、3~4日程度で売買するテクニカル分析によるスイングトレードは向いていると言えるかもしれません。つまり長期的なイーサリアムの上昇トレンドについていった去年と比較して売買回数が増加します。そこで、今年は手数料の安い取引所での取扱銘柄の多いGMOコインを利用します。

   今回は手始めにQTUM(クアンタム)で遊んでみました。購入の理由は「海外取引所の価格に対して少々割安だったから」というだけで特段チャートも良いわけでもありませんでした。従って鞘が埋まり次第即売却、微益撤退という結果になりました。

   投資面でシブい年になるといっても(結果どうなるかはわかりませんが)、今年はついに待ち侘びたイーサリアムのPoS化(Proof-of-Stakeの略。多くの資産を保有することで報酬が得られるようになるブロックチェーンの仕組みのこと)の年です。技術的な面では今年もおもしろいネタが盛りだくさん。是非とも読み進めていただけるとうれしいです!

《今週の取引》
取引日時    取引通貨       取引額      取引結果
2020/5/30  QTUM(クアンタム) 1555円を買い   プラス6円

保有する暗号資産  QTUM(クアンタム)
1万円からの損益       プラス6円
6月3日現在          1万6円

◆ 池田昇太のワンポイントアドバイス
はじめまして。Dapp開発を通してブロックチェーンへの理解を深めるのは素晴らしいですね。仮想通貨のトレーダーはプログラミングに明るくない者も多いため、筆者も参考になりました。たしかに昨年11月より仮想通貨市場は下がり続けており、今年は上昇しにくい年になるかと想定されます。
昨年末のFOMC(米連邦公開市場委員会)後、利上げや量的引き締めが議論されていたとわかり、株式市場と同様に仮想通貨でもリスクオフの動きがありました。加えて、アルトコインの多くはビットコインの価格に左右される傾向にあるので、ビットコインが停滞していると、他の仮想通貨も値上がりしにくくなるでしょう。
ただ、イーサリアムのPoS移行が今年の末頃と言われていますので、ご指摘のとおり今年は技術面で期待できる一年となりそうです。頑張ってください!
城 正人(じょう・まさと)
城 正人(じょう・まさと)
明治大学経営学部
2021年に引き続き、出場します! 投資対象として仮想通貨に興味を持つも、その技術の持つポテンシャルに惹かれDapp開発に着手。投資家としてだけでなく、開発者としての視点からの投資戦略も立てていきます!
Twitter: https://twitter.com/dennoah_jo

2022年は仮想通貨 冬の時代か?(東京大学 迫嵩明さん)

   初回から申し訳ありません! 大学の勉強やその他の活動に時間が取られ、取引できませんでした。

   そこで今回は、私が仮想通貨にどういった形でこれまで関わってきたかと、2022年の仮想通貨市況はどうなるのか、などについて書きたいと思います。私が仮想通貨投資を始めたのは、2020年、高校3年生の時です。基本ビットコイン(BTC)を長期ロング(買い)で、それでもすごい利益が出ました。ビットコインを買おうと思ったのは、ビットコインのホワイトペーパーを読んだときに、これは新たな通貨の形が出現したと思い、このテクノロジーに投資しようと思ったからです。

   通貨の歴史を辿るとおもしろくて、初めは物々交換を行っていたとこらから、貝殻などが通貨として使われるようになりました。続いて、希少性を持つとともに基本劣化しない金や銀が通貨として用いられ、その次には紙幣が誕生しました。

   初めは金本位制や銀本位制をとって紙幣と一定の量の金や銀が兌換できるようにしていましたが、それではそれ以上の経済活動ができないため、人間は金や銀の信用を使わずに国の信用を担保に紙幣を発行しました。そうしたことにより、国はいくらでも紙幣を擦れるようになり、紙幣の価値に疑問を持つ人が出てきました。

   それがサトシナカモトを中心とするビットコイナーです。彼らは既存の金融システムに疑問を呈しそのアンチテーゼとして、ブロックチェーンに金融情報をのせビットコインを発明しました。ブロックチェーンという改竄不可能なデータを書き込めるテクノロジーを持ってしてビットコインは誕生しました。私はこのストーリーを知り、人間は新たな通貨を獲得したことに興奮しました。そういった経緯で私はビットコインを長期保有することに決めました。

   今年の仮想通貨市況ですが、厳しいと言わざるを得ません。なぜなら、去年ごろから仮想通貨市況が株式市場の市況にとても影響されるようになっていて、今年の株式市場が荒れることが予想されるのでそれに伴って、仮想通貨市況も落ちると考えられるからです。

1万円からの損益  プラス・マイナスゼロ
6月3日現在            1万円

◆ 池田昇太のワンポイントアドバイス
はじめまして。筆者も以前、ビットコインをきっかけにお金の歴史を追った経験があり、お金の姿は貝殻や金・銀・紙、そしてデジタルデータと姿を変えていったことや、金や国家が価値を裏付けていたことなどを学びました。
ブロックチェーン技術は課題が多く、実生活やビジネスでの利用は困難なところがありますが、筆者もブロックチェーンの未来には注目しています。
ご指摘のとおり、現在の仮想通貨は不安定で、米国での利上げ・量的引き締めなどの影響を受け、株式同様に値下がりしている状況です。長期的に見ても下落トレンドに入っていると判断できるので、今後トレンドが続くのかどうか、もしくはトレンドが転換するのかを注視していく必要があると考えています。頑張ってください!
迫 嵩明(さこ・たかあき)
迫 嵩明(さこ・たかあき)
東京大学文科二類2年
学生投資連合USIC代表
高校3年生の時に株式投資のおもしろさに目覚める。日本株、米国株、仮想通貨投資を行う。長期的に伸びる市場でビジネスを展開している企業に長期投資することをモットーとしており、テンバガーを虎視眈々と狙っている。 金融を学ぶ「おもしろさ」、投資を始める「意義」を多くの人に知ってほしいと切に願う。
学生投資連合USIC:https://www.usic2008.org/

◆ ◆ アドバイザーのプロフィール

池田昇太(いけだ・しょうた)
池田昇太(いけだ・しょうた)
池田昇太(けだ・しょうた)
フリーランスのWebディレクター。金融系メディアを対象に執筆やディレクター業務に従事。投資歴7年。FXと仮想通貨をメインにトレードしています。ファンダメンタル分析よりかはテクニカル分析を好む。最近はNFT(非代替性トークン)の詐欺事例、法的問題について関心あり。
大学対抗戦「暗号資産バトル」競技ルール
・元本は1万円。
・通貨の選定は自由。ただし、国内の事業者で買える暗号資産に限定。
・レバレッジはかけられません。
・20%を超えて下げた場合は、強制的に取引を停止(ロスカット)とする。
・元本割れは1回まで。2回、資産を失った場合は、その時点でリタイアとする。
・運用期間は6か月。最終週時点での資産増減額で順位を決める。
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