KFCのカーネル・サンダースは65歳で事業を始めた
――投稿者が胸に秘めている大きな夢について、川上さんはどう思いますか。
川上さん「年齢がいくつであろうとも、夢を持つというのはすばらしいことだと思います。思えば、カーネル・サンダースは65歳でケンタッキー・フライドチキンを始めましたが、クルマにフライドチキンを積んでフランチャイズ募集の旅に出た時、1000回以上『ノー』と断られたと言います。伊能忠敬は50歳で隠居してから天文・測量の勉強を始めましたが、71歳まで日本全国を測量していたと聞きます。意志さえあればいくつであっても、夢を持つことに遅いということはないのではないでしょうか。
一方で、60歳くらいから海外就労したいという夢を持つ投稿者さんは、決してその年齢からの就労を希望していたわけではなく、病気を抱えるお子さんの育児をワンオペで行ってきた状況を踏まえると、夢を実現させるには60歳からにせざるを得ないということだと思います。そういうことは、家事育児のために自身の職業キャリアを犠牲にしてきた女性が、世の中にはたくさん存在することを象徴している事例でもあると思います」
――だからこそ、回答者のほとんどが投稿者に共感しているのですね。ただ、そこから就労ビザ取得の難しさや、年齢・健康面の不安を考えると、「あきらめたほうがいい」という人と、「こういう方法がある。挑戦しなさい」とエールを贈る人と2つに分かれます。
川上さん「『あきらめなさい』という意見は、非現実的な目標を夢想するのであれば、早く現実的な目標に切り替えたほうがいいはずだ、というアドバイスなのだと思います。しかし、実際にあきらめるか否かは、投稿者さんご自身の意志次第だと思います」
今回の「60歳になってから海外で働きたい」という話題に対して、川上さんのアドバイスも熱を帯びました――。<パート主婦の夢「60歳から海外で働きたい」は無謀?希望アリ?で大激論! ユーチューバーというアイデアもあるが...専門家に聞いた(3)>にまだまだ続きます。
(福田和郎)