50代女性の働く理由の1位は「社会との関わり」
J-CASTニュース会社ウォッチ編集部では、今回の「60歳になってから海外で働きたい」という女性の投稿をめぐる論争について、女性の働き方に詳しいワークスタイル研究家の川上敬太郎さんに意見を求めた。
――投稿者の「夢」の訴えと、回答者たちのさまざまな意見を読んで、率直にどのような感想を持ちましたか。
川上敬太郎さん「長く家庭中心の生活を送ってきた女性が、60歳を超えてから海外移住して働きたいという希望は、一見すると突拍子もないことを言っているような印象を受けてしまうのかもしれません。しかし、回答者の多くは投稿者さんの希望を本気だと理解して、真摯に受け止めたからこそ、具体的かつ厳しい意見がたくさん寄せられているのではないかと思いました」
――50代までパートだった人が、60代から海外で働きたいというのが今回のテーマです。シニア世代になってからの転身、あるいは、大きく飛躍したいといった希望について、川上さんが研究顧問をされている働く主婦層の実態を調べる「しゅふJOB総研」で、これまで調査をしたことがありますか?
川上さん「仕事と家庭の両立を希望する主婦層が働く理由について、年代別に傾向の違いを調査したことがあります。
◇主婦が働く理由
この調査では、20代・30代は『子どもの教育費のため』が1位となっていますが、40代では2位に後退し、『今後の生活に不安を感じるため』(収入面)が1位です。さらに50代になると『子どもの教育費のため』は5位に後退し、1位になったのは『社会と関わり視野を広げたいため』でした。実に、74%がそう回答しています。
望ましい社会との関わり方は人それぞれ異なると思いますが、海外での就労経験があるという投稿者さんが50代・60代のキャリアを考えた時、海外移住して仕事することを望まれるのは、決して不自然なことではないように感じます」