安倍元首相に振り回された岸田政権初の「骨太の方針」の舞台裏

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安倍氏への配慮明らか「5年以内に防衛力抜本強化」と明記

   だが、安倍氏はこれにも?みついた。安倍派の会合などで政府に踏み込んだ対応を繰り返し要請。抗しきれなくなった首相は最終的に、骨太の方針で、防衛力を「5年以内に抜本的に強化する」と明記した。

   具体的にどれだけ増やすかに関しても、骨太の方針原案では、北大西洋条約機構(NATO)諸国が国内総生産(GDP)の2%以上の国防予算確保を掲げていることを、注釈として紹介していた。しかし、出来上がった方針は、この記述を本文に「昇格」させた。安倍氏への配慮なのは明らかだ。

   骨太の方針の閣議決定の翌日、大手新聞各紙はいずれも1面で大々的に伝えたものの、「防衛力強化」「財政出動拡大」など「安倍案件」の見出しばかりが踊った。首相が力を入れる「新しい資本主義」は完全に主役の座を奪われた形だ。

「6月22日公示の日程で参院選の準備が進む中、安倍氏と対立して自民党内が混乱すれば、野党を利するだけだ」

   首相に近い関係者はこう釈明したものの、岸田政権初の骨太の方針が安倍氏の思惑通りの内容になった事実は疑いようがない。(ジャーナリスト 白井俊郎)

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