「追加募集企業多いから、焦らず活動続けよう」
一方、すでに就職先の企業を決めた進路確定率も6割近い55.1%と、就職活動が終盤戦に入ったことがうかがえる=図表4参照。こちらも、昨年の同時点(49.9%)より5.2ポイント高い。就職確定先企業の業種をみると、やはり情報・通信業が25.4%と、ダントツに高い。次いで、機械器具製造業(10.6%)、金融・保険業(10.1%)、製造業(機械器具以外、9.2%)と続く。
また、今年1月~5月の各就職活動の実施率では、「エントリーシートなどの書類を提出した」(84.6%)、「適性検査や筆記試験を受けた」(83.5%)、「就職に関する情報を収集した」(81.9%)、「Web上での面接を受けた」(76.9%)、「面接などで対面での選考を受けた」(72.4%)などが上位に並んだ。
しかし、具体的な活動内容を見ると、「合同説明会・セミナーに参加した」は2月が最も高い。ほかに、「個別の説明会・セミナーに参加した」「エントリーシートなどの書類を提出した」などは3月中が最も高い傾向にあり、就職活動の準備段階は2~3月に集中している様子がわかる。
一方、「最終面接」を含む「面接選考」は4月にピークを迎え、5月には3月よりも少なくなった。今後は内定取得者の企業絞り込みと、内定を得られていない人の追い込みが進みそうだ。
就職みらい研究所所長の栗田貴祥氏はこうコメントしている。
「内定取得者のうち、2社以上内定を保有している割合は19.0%で前年と同水準です。前年よりも内定率が高いことを考えると、今後、学生の内定辞退が前年以上に発生する可能性があります。内定辞退の発生を背景に、追加募集など採用活動を積極的に行っている企業もあります。(中略)周囲で進路を確定する学生が増え、焦りを感じる方もいるかもしれません。活動を継続している学生の皆さんは、納得できる1社に出合えるよう、引き続き就職活動に取り組んでいきましょう」
調査は、2022年6月1日~2日、2023年卒業予定の大学生・大学院生を対象に、リクルートが運営する就活支援サイト「リクナビ」のモニターに登録した学生7632人(大学生6258人・大学院生1374人)にアンケートした。
(福田和郎)