米国の相次ぐ利上げが景気に悪影響を与えるとの見方から、利上げの一時停止観測が強まり、長期金利が低下したことを背景に、米国株が回復に向かっている。この流れを受けて、東京株式市場の日経平均株価も大きく上昇した。
一方、ドル円相場は日米の金利差によるドル買い選好がくすぶる。引き続き、注目したい。
どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 米利上げ観測、さらに後退か!?
日経平均株価予想レンジ:2万7000円~2万8300円
2022年6月3日(金) 終値 2万7761円57銭
今週の東京株式市場の日経平均株価は、上値の重い展開か。
前週の東京株式市場の日経平均株価は、1週間で1000円近くも大幅に上昇し、3週続伸した。日経平均株価の上昇をけん引したのは、米国株の回復。大幅な利上げ、相次ぐ利上げが米国景気に悪影響を与えるとの見方から、利上げの一時停止観測が強まったことで、米長期金利が低下したことが背景にある。
今週の日経平均株価は、上値の重い展開になりそうだ。日経平均株価は2万7000円台後半まで上昇してきたことから、一時的に2万8000円台乗せの可能性もある。ただ、FRB(米連邦準備制度理事会)のブレイナード副議長などが、米国の利上げ一時停止を否定する発言を行っており、利上げ観測は後退している。
米国の長期金利も再び上昇に転じており、米国株の上昇は期待薄。東京市場は米ニューヨーク株式市場の「鏡相場」と揶揄されるほど影響を受けるため、日経平均株価も上値の重い展開となりそうだ。
東京外国為替市場 米国の経済指標、市場予想を上回るか?
ドル・円予想レンジ:1ドル=128円50銭~132円00銭
2022年6月3日(金)終値 130円86銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルが上値を試す展開か。
前週のドル円相場は、ドルが上昇した。米国の経済指標が市場予想を上回ったことに加え、FRB(米連邦準備制度理事会)のブレイナード副議長などが、米国の利上げ一時停止を否定する発言をしたことで、ドル買い・円売りの動きが強まり、ドルは一時1ドル=131円手前の水準まで上昇した。
今週のドル円相場は、ドルが上値を試す展開となりそうだ。ドルの上値を抑えていた米国利上げの一時停止観測が否定されたことで、日米の金利差によるドル買い選好が続く可能性が高い。1ドル=131円台へ上昇すれば、さらに1ドル=132円台を目指す展開となりそうだ。米国の経済指標が市場予想を上回る好結果となれば、ドル買い材料となるため、注目したい。
経済指標は、国内では7日に4月の家計調査と毎月勤労統計調査、景気動向指数、8日に1~3月期GDP(国内総生産)確報値、5月の景気ウォッチャー調査、10日にメジャーSQ、5月の企業物価指数などの発表が予定されている。
海外では、7日に米国の4月の貿易収支、9日に中国の5月の貿易収支、ECB(欧州中央銀行)定例理事会、10日に中国の5月の消費者物価指数と生産者物価指数、米国の5月の消費者物価指数などの発表が予定されている。
(鷲尾香一)