30歳のあなたに1億円が舞い込んできたら...資産を増やすには「果実を生むモノ」を購入すること【その4】(小田切尚登)

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株式投資とはリスクをとって将来のリターンを得ること

   債券や預金の場合は決まった金利を受け取れるので、先の見通しを立てやすい。しかし今の円の金利は非常に低いのが難点である。年利0.1%といった数字を聞くとがっかりする。それでも20年後には1.22倍に、30年後には1.34倍に増えていく。長く続けることによる複利効果は絶大なものがあるのだ。

   一方で株式の場合は、その果実(配当金)を安定に受け取れるわけではないし、価格変動も大きいので先を読みづらい。「株式投資は怖い」というような話が出るのも当然だ。確かにリスクは高めである。しかし、その分大きいリターン(儲け)も期待できる。

   株式に投資するということは、企業の株主(オーナー)になるということだ。オーナーになるとは、すなわちリスクを取ることと引き換えに、将来のリターンを得る立場になるということだ。不安定さはあるが、リスクを大きく取る分、「果実も大きく」得ることが期待できる。

   では、実際に株式投資でどれくらいのリターンが得られるだろうか。チャーリー・ビレッロ氏が米国の投資商品ごとの損益の実際の数字を出しているので見てみよう。期間は2011~22年4月28日までの11年強。株式に加えて債券の数字も比較のために載せておく。どちらも市場の全体像を示すETF(上場投資信託)をベースに出した数字だ。

   2011~22年までの一年間の平均リターンはこうなっている。

米国の債券(BND) 2.3%
米国の大企業の株式 (SPY) 13.6%

   同じ時期の累積のリターンはこうなっている。

米国の債券(BND) 29.4%
米国の大企業の株式 (SPY) 322.0%

   長く続けていくと投資リターンが高くなることがはっきりとわかるだろう。債券も決して悪くないが、株式を11.5年持ち続けることで4.2倍になるというのはスゴイ!

小田切 尚登(おだぎり・なおと)
小田切 尚登(おだぎり・なおと)
経済アナリスト
東京大学法学部卒業。バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバなど大手外資系金融機関4社で勤務した後に独立。現在、明治大学大学院兼任講師(担当は金融論とコミュニケーション)。ハーン銀行(モンゴル)独立取締役。経済誌に定期的に寄稿するほか、CNBCやBloombergTVなどの海外メディアへの出演も多数。音楽スペースのシンフォニー・サロン(門前仲町)を主宰し、ピアニストとしても活躍する。1957年生まれ。
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