フランス、受信料廃止はマクロン大統領の選挙公約
また、(2)の新たに導入された受信料不払い世帯に対する割増金制度も重要だ。今年4月の衆議院総務委員会での質疑では、総務省の吉田博史情報流通行政局長は、割増金制度導入について、
「受信設備を設置した人の約2割が受信料を支払っておらず、不公平が生じていることを踏まえ、受信料の適正かつ公平な負担を実現する観点から導入するものだ」
などと述べ、理解を求めたのだった。
一方、ヨーロッパでは、動画配信サービス普及などメディア環境の激変によって、公共放送の「受信料」を撤廃する動きが進んでいる。英国政府は4月28日に発表した放送政策に関する白書の中で、公共放送「BBC」の受信料の一律徴収が2028年には終了する可能性を示唆した。
フランスでも、複数ある公共放送の受信料廃止は4月に再選されたマクロン大統領の選挙公約でもあった。仏紙フィガロの報道によると、5月11日に行われた閣僚評議会で受信料廃止方針が示されたという。フランスでは、受信料は住民税とともに徴収されてきたが、2023年から住民税が撤廃されるため、今後の公共放送受信料のあり方が議論となっていたのだ。