中国と韓国一辺倒だった観光ビジネスを地方発に
熊野氏と同じく中国と韓国一辺倒だった観光ビジネスを変えるべきだと主張するのは、野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏だ。
木内氏のリポート「訪日外国人観光客の受け入れ再開:インバウンド戦略の再構築を急げ」(5月27日付)ではこう指摘する。
「外国人観光客は、国別にみれば中国と韓国に偏っていた。これでは、日本と両国の間の外交関係が悪化すると両国の観光客が一気に減少し、外国人観光客全体が大きく減少してしまうリスクがある。実際のところ、観光にかかわる多くの事業者は、そうした懸念を持ち続けていた」
そこで、より幅広い国・地域から訪日観光客を呼び込むことが重要になるが、そのためには政府も成長戦略の一環として観光政策を練り直せ、とゲキを飛ばす。
「東京一極集中の是正、デジタル田園都市構想などの政府の政策とインバウンド戦略を連動させて、外国人観光客を地方に誘導して地域活性化につなげることも重要だ。外国人観光客の受け入れも再開しようとする今、日本経済の潜在力に大きな影響力を与え、成長の起爆剤ともなり得るインバウンド戦略の再構築は、まさに政府にとって喫緊の課題である」
というのだ。