10代と60代に今後、広がる可能性
また、利用経験者に利用した理由を聞くと、ベスト3位に「返送料が無料」「洗濯やクリーニングなどの手入れの手間が省ける」「無料トライアル期間だから」が入り、「SDGsに配慮したい」は4位だった。まだ、SDGsに対する配慮よりも「安さ」や「手軽さ」を重視する傾向が高いようだ。
MMD研究所では、10代のSDGsに対する意識が特に高いことに注目し、
「10代は購入時には意識が最も低いものの、フリマアプリやリサイクルショップの活用、回収サービスを行っている企業への持ち込みなど、廃棄時に環境への配慮ができる仕組みづくりは確立され始めているのかもしれません」
と、今後、サブスクファッションが10代を相手に伸びる可能性を分析。
また、シニア層に対しても、
「購入時・レンタル時に意識しているのが最も高かった60代は廃棄時では最も低い結果となりました。リサイクルショップでの購入などは考えやすいものの、廃棄時にそれを思い浮かべる人は10代よりは多くはないのが現状なのではないでしょうか。フリマアプリサービスを提供するメルカリがNTTドコモとシニア層をターゲットとしたコンセプトストアを展開したように、シニア層の衣類の廃棄や処分方法が身近になる働きかけが今後必要とされると考えられます」
と、サービス内容の工夫によって、シニア層もターゲットにできると見ている。
調査は2022年4月14日~4月25日にスマートフォンを所有する18歳~69歳の男女1万833人(男性5375人、女性5458人)を対象に行われた。そのうえで利用経験者264人(男性165人、女性109人)に集中的に聞いた。
(福田和郎)