マンション管理の「格付け制度」が始まった!
「週刊ダイヤモンド」(2022年6月4日号)は、「住人も購入検討者も必読! マンション管理」と題した特集を組んでいる。
マンション管理制度が4月から大きく変わり、管理組合の「モノカネヒト」の問題が浮上するというから、マンションに住む人にとって見逃せない内容だ。
一言でいうと、マンション管理の「格付け制度」が4月から始まり、その内容によって「天国と地獄」の差が生じるというのだ。施行されたのが、「改正マンション管理適正化法」。条件を満たした管理不全マンションについては、行政側が管理組合の意思とは関係なく、能動的に指導勧告助言を行うことが初めて可能になった。
また、管理組合が作成する管理計画と管理の状況について、国と業界団体で客観的な指標で評価する仕組みができた。
特集では、まず今、マンションが抱える諸問題に触れている。共用部の管理と維持が使命の管理組合。最重要課題が約12年に1度直面する大規模修繕だ。
ところが、平均的に4割が修繕積立金不足になっているという。一部のタワマンでは、大規模修繕1回目が終わった時点で、すでに修繕積立金の残高はほぼゼロになり、よりカネがかかる2回目以降の資金を集めるには毎月の修繕積立金をどんどん値上げしないと追いつかないというから深刻だ。
金持ち組合になるか、貧乏組合になるかの分かれ目は、区分所有者からの管理費と修繕積立金という収入をいかにうまく回しながら、不要のコストを削減するかにかかっている、と指摘する。
また、理事がいない、総会で合意できないなど、ヒトの問題も深刻だ。2005年より前に完成したマンションでは50代以上が70%以上を占める。OB制度など管理組合運動に大勢を巻き込む方法を紹介している。
それもこれも、マンション管理の「格付け制度」が始まり、低く格付けされると、入居者に不利益が生じる可能性があるからだ。
マンションを買うときに、「マンションの管理を買え」という言葉があった。物件そのものよりも、どんな管理会社がかかわっているかを見ろ、という教訓だった。さまざまな問題が生じ、それが現実になったのが、この春ということだろう。
特集の管理会社ランキングでは、総合力ランキングで大和ライフネクスト、面倒見の良さでJR西日本住宅サービス、大規模修繕対応力でニッセンホームサービスがそれぞれ首位になっている。