地銀決算出そろう...「業績好調」の背景に、コロナ対応の特殊要因 それだけに「先行き不安」ぬぐえず...資源高が融資先に打撃も

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財政支援が終わり...支え失った企業の倒産は増えるか?

   今後はどうか。2023年3月期の業績予想を集計すると、合計では最終損益が9100億円と1割増益になるが、77行・グループのうちの6割にあたる46行・グループが減益を見込んでいる。

   業績の格差が広がるということだが、増益を見込むところも含め、円安やロシアの侵攻による原材料の一段高、コロナ禍による融資先の経営難などを先行きの不安材料として挙げる。米国の金利上昇などで保有債券の価格が下がるなど、金融市場の変調も懸念する。

   とくに、コロナ対応の政府保証付き融資などはいつまでも続くわけではなく、平時に向かうにしたがって、ポスト・コロナの企業再生が本格化する。企業の「生命維持装置」ともいわれる融資やさまざまな財政支援が終われば、企業の再生を支える役割は金融機関、とくに地域では地銀が担うことになる。

   支えを失った企業の倒産が増えるとの見方もあり、地銀も体力勝負になる。きらやか銀行のように、公的資金を活用する銀行が他にも出ると見込まれるほかか、県境を越えた統合など再編が加速する可能性もある。(ジャーナリスト 済田経夫)

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