部下たちが無言になり、上司のみが発言する会議...活性化させるには?【上司力を鍛えるケーススタディ CASE 4】(前川孝雄)

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上司による発言しやすい場づくりが大切

   部下が「考えがあるが言わない」という場合は、二つのケースが考えられます。

   一つは、会議が「出る杭は打たれる」雰囲気になっている場合。もう一つは、部下自身が「事なかれ主義」になっている場合です。

   上司自身が会議を進行する場合、あるいは部下に進行を任せる場合でも、上司には部下が自由に発言しやすい空気づくりが求められます。

   ありがちなのは、意思決定をする上司自身が発言してばかりというケースです。管理職になり立ての熱心な上司ほど、自分が血気盛んだった部下の時のように意見を出しまくり、部下たちに議論をけしかけて失敗する例も。

   こうなると部下たちは閉口してしまい、議論についてこれません。上司は自分の発言の影響力が大きいことを心に留め、部下の意見の上手な「引き出し役」になるべきです。

   なお、部下が十分に知識や経験はあるのに「事なかれ主義」で、「とりあえず会議に出ていればいいだろう」という態度の場合には、きちんと叱ることも大切。「会議はみんなで意見を出し合うための場。そこで黙っているのであれば、出席する意味がないだろう」と注意すべきです。

※「上司力」マネジメントの考え方と実践手法についてより詳しく知りたい方は、拙著「本物の上司力~『役割』に徹すればマネジメントはうまくいく」(大和出版、2020年10月発行)をご参照ください。
※「上司力」は株式会社FeelWorksの登録商標です。


【プロフィール】
前川 孝雄(まえかわ・たかお)
株式会社FeelWorks代表取締役
青山学院大学兼任講師、情報経営イノベーション専門職大学客員教授

人を育て活かす「上司力」提唱の第一人者。リクルートを経て、2008年に管理職・リーダー育成・研修企業FeelWorksを創業。「日本の上司を元気にする」をビジョンに掲げ、「上司力研修」「50代からの働き方研修」「eラーニング・上司と部下が一緒に学ぶ パワハラ予防講座」「新入社員のはたらく心得」などで、400社以上を支援。2011年から青山学院大学兼任講師。2017年働きがい創造研究所設立。情報経営イノベーション専門職大学客員教授、一般社団法人 企業研究会 研究協力委員、一般社団法人 ウーマンエンパワー協会 理事なども兼職。連載や講演活動も多数。
著書は『50歳からの逆転キャリア戦略』(PHP研究所)、『「働きがいあふれる」チームのつくり方』(ベストセラーズ)、『コロナ氷河期』(扶桑社)、『50歳からの幸せな独立戦略』(PHP研究所)、『本物の「上司力」』(大和出版)等30冊以上。近刊は『人を活かす経営の新常識』(FeelWorks、2021年9月)および『50歳からの人生が変わる 痛快! 「学び」戦略』(PHP研究所、2021年11月)。

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