1日のスタートである「朝」という時間をどのように過ごすかで、その日がどうなるか決まります。人生とは、今日1日の積み重ね。つまり、朝との向き合い方で幸福度は変わるのです。みなさんは朝をどのように過ごしていますか?
「朝1分間、30の習慣。 ゆううつでムダな時間が減り、しあわせな時間が増えるコツ」(マツダミヒロ著)すばる舎
あなたは手帳をどのように使っていますか?
著者のマツダミヒロさんがハワイに拠点を移しているころ、アラモナショッピングセンターの雑貨屋であるノート(手帳)を目にしました。それは、一般的なスケジュール帳や日記帳とは異なり、「1日単位でその日のタスクを書き込む」というものだったそうです。
「それを見て『起きてすぐ、その日にやるべきことをこれに書いたら、頭のなかが整理されていいかも......』と思ったのです。購入し、さっそく試してみることにしました。次の日の朝、起きてすぐにそのノートを開き、ペンをとりました。すべて英語で書かれていたので、内容を正しく把握できていたかは不安ですが、次の項目は理解できました」(著者)
「『今日、絶対にやるべきこと』。この項目を埋めるため、自分に問いかけました。『今日、絶対にやるべきことって、何?』。そして、出てきた答えをノートに書き込みました。すると、当然ですが『今日、絶対にやるべきこと』に集中して取り組み、その日はそれが実現したのです」(同)
著者は、頭のなかに浮遊していたさまざまなタスクが、自然と「やる」「やらない」に分かれ、やるべきことが明確になり、モチベーションが上がったと述べています。
「やるべきことだけに力を注げれば、集中力もあがり、1日の仕事の生産性がグンとアップすることを実感できました。数日後、『今日、絶対にやるべきこと』をノートに書くという行為が習慣化されると、朝への意識が変化していることに気づきました」(著者)
「それまでは『あっ寝坊しちゃった。早く仕事に行かなきゃ』『今日はあれをやってこれをやって......』など、ネガティブな思いで過ごしていましたが、このノートを書くことにより、『さあ、今日は何をしようかな』と前向きに朝を過ごすようになっていたのです」(同)
さらに、「このノートに、こういう項目が書いてあったらいいなぁ」「こんなことを書き込めたら、さらに便利なのに」と思うようになり、「あったらいいな」と思う項目を追加していったそうです。
ノートや手帳、使いこなせなければ宝の持ち腐れ
日本に手帳が日本に上陸したのは、幕末と言われています。さらに、当時の大蔵省印刷局が、フランスの日記簿を参考に、携帯用の「懐中日記」を発行します。これは、ポケットなどに入れて持ち歩けるような小型の日記帳で、初の国産手帳と言われています。
いまではノートや手帳は、「スケジュールを管理するもの」ではなく、TODO(タスク)リスト、年間目標、ライフログ(生活記録)、日記、家計簿、健康管理などに使っている人もいます。個人一人ひとりが、「自分は何がしたいのか」を自問自答しながら、自己管理する時代に入ったのです。
しかし、せっかく手帳をゲットしても、使いこなせていなければ宝の持ち腐れです。そうならないように、ちょっとした工夫を加えてみましょう。本書を読むことで、そのようなヒントが見つかるかもしれません。
(尾藤克之)