みなさん、こんにちは。馬医金満です。
政府がスタートアップ投資に熱心です。
2022年5月18日付の日本経済新聞の報道によると、政府は海外のベンチャーキャピタル(VC)による日本国内のスタートアップ企業への投資を促す新たな基金を、2023年度をメドに設けるとのこと。海外VCに出資して、その経営や投資判断などのノウハウを取り込み、国内のスタートアップを後押しするようです。
他国に比べると小さい日本の市場
政府は、スタートアップ企業にさらなる投資を行おうと考えています。岸田文雄首相の具体的な発言として、4月の「新しい資本主義実現会議」で、「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)などの長期運用資金や個人金融資産がベンチャーキャピタル(VC)やスタートアップ企業に循環する流れをつくる」と話しています。
また、スタートアップ企業が十分な資金調達を行うことができるよう、新規株式の公開(IPO)プロセスを見直すとも説明しています。
スタートアップ企業に投資マネーが入りやすい環境を整えようというわけです。
一方、資金を運用する側のGPIFは、以前のようなリスクの低い資産中心の運用から方針を切り替えつつあり、現在では資産全体の5%を上限にプライベートエクイティ(PE、未公開株)を含むオルタナティブ資産の運用を行う方針だといいます。
しかし、2020年度の業務概況書によると、21年3月末時点のオルタナティブ資産の時価総額が年金積立金全体に占める割合は0.7%(1兆3419億円)にとどまり、このうちPE投資は610億円と掲げた運用方針ほど大きな額にはなっていません。
そもそも、日本のスタートアップ投資市場も他国に比べると小さいこともあり、どのようにスタートアップ投資を促進させていくのか注目されています。
もう一つの視点として、GPIFは厚生労働大臣からの寄託で年金積立金の管理や運用を担うという建て付けなので、リスクの大きいベンチャー投資をどのように高齢者に説明していくのか、ということも気になっています。
うまくいけば、日本のベンチャー市場が活性化できると思うので、とても楽しみにしています。
では、また!(馬医金満)