米国経済、1930年代「大恐慌」以来の悪さ? エコノミストが指摘...「景気が急激に失速する」3つの理由

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消費者心理の悪化から「米国景気は正念場へ」

   米国経済は「正念場を迎えている」と、さまざまな角度から分析するのは、大和総研経済調査部シニアエコノミスト橋本政彦氏ら3人のエコノミストチームだ。

   リポート「利上げで米国は景気後退に陥るか」(5月25日付)は、全9ページの詳細な内容だが、特に「株価低迷と消費者マインドの悪化が気がかりだ」としている。

   図表2は、米消費者信頼感指数の変化と、景気動向を表すグラフだ。米消費者信頼感指数とは、消費者の観点から米国経済の健全性を図る指標。米民間調査会社コンファレンス・ボードが毎月、5000世帯を対象に、現在および6か月後の景気・雇用・家計所得の見通しについてアンケート調査する。1985年を100として指数化した。この指数の変化を観測すると、過去の米国の景気後退入り局面を先行して示唆したケースが多い。

(図表2)米消費者信頼感指数の変化と景気動向(大和総研の作成)
(図表2)米消費者信頼感指数の変化と景気動向(大和総研の作成)

   図表2の右端の赤丸の箇所、直近の2022年4月時点を見ると、指数がマイナス10.2%ポイントに急落している。これが赤線で記したマイナス15%ポイントのラインに達すると、過去のケースから見て非常に危険だ。

   このため、リポートでは、

「同指数が今後明確に回復しないならば、(中略)マイナス15%ポイント超となる恐れがある。このように、消費者マインドの変化からも米国景気は正念場を迎えつつあるといえよう」

と、警告している。

(福田和郎)

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