「弱気」が支配する市場心理、売られ過ぎの面も
野村アセットマネジメントのシニア・ストラテジスト石黒英之氏も、リポート「下落基調続く米国株の反転時期は近い?」(5月23日付)のなかで、「現在のマーケットは過度に市場心理が悪化しており、企業業績などのファンダメンタルズからみて売られ過ぎの側面もある」と指摘する。
石黒氏によると、米個人投資家協会が毎週実施している調査では、株式相場に「強気」と答えた割合から「弱気」 と答えた割合を差し引いた値が4月28日にマイナス43%ポイントと、リーマン・ショック後の2009年以来の弱気に傾いた=図表1参照。
「ただ、同値が大きく弱気に傾いた時が相場の反転のシグナルとなってきたこともあり、きっかけ次第で過度な悲観の修正が起きやすいことを示唆しています(再び、図表1参照)。ここにきて米CPI(消費者物価指数)の伸びが鈍化し始めたほか、中国上海市が都市封鎖解除への道筋を示すなど、明るい兆しも見え始めました。下落が続く米国株の自律反発局面は近づきつつあるかもしれません」
と結んでいる。
たしかに、図表1の米個人投資家の「強気」-「弱気」の2009年を見ると、マイナス43%ポイント以上沈み込んだのを機に「S&P500種株価指数」が上昇に転じているが...。