「世の中の大きな流れはオンラインツール活用に」
――たしかにそうですね。川上さんなら、ズバリ投稿者にどうアドバイスしますか。
川上さん「投稿者さんが間違っているとは思いませんが、心地よいコミュニケーションの取り方は人それぞれ異なるのも事実です。職場のルールには合わせる必要があります。『郷に入れば郷に従う』という柔軟性も必要なはずです。
ただ、ルールを理不尽だと感じれば感じるほど、投稿者さんにとってはストレスになると思います。もし、職場ルールが我慢ならないものであれば、職場側に意見を述べて改善を申し入れるか、ストレスに耐え切れずにつぶれてしまう前に職場を移ることも視野に入れてよいのではないでしょうか」
――川上さんにとって、一番望ましい職場内メール&コミュニケーションのあり方はどんなものでしょうか。
川上さん「先ほども触れたように、世の中の大きな流れは手軽にすばやく意思を伝える方向に進んでおり、コミュニケーション手段の主流は、対面からメールやチャットなどに移行していると感じます。
その流れを視野に入れると、十分なコミュニケーションには対面が一番という考え方に固執するより、オンラインツールを用いて十分なコミュニケーションが取れるスキルを身に着け、オンラインツールを無暗に否定しない文化を職場に醸成することがより重要になってきます。
コロナ禍を機にテレワークが一気に身近な存在となり、勤務形態の一つとして市民権を得ました。出社一択の時代は終わりを告げました。対面ありきのコミュニケーションを社員に求めるスタンスは、日増しに時代にそぐわなくなっていくように思います。
それとともに、メールは失礼だとか、ないがしろにされている、といった感覚も薄まっていくでしょう。私たちは今を生きています。今という過渡期に適応しつつ、拙速に何が正解かを決めつけるのではなく、時代の大きな流れを横目に見ながら、より適したコミュニケーションのあり方を模索していけばよいと思います」
(福田和郎)