もう消費減税しかない!? 「悪いインフレ」進行でどんどん貧しくなるニッポン、エコノミストが指摘する解決策

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岸田政権の給付金と補助金は期待できない

岸田首相の物価対策では効果がないのか
岸田首相の物価対策では効果がないのか

   なにか、物価高を抑える抜本的な対策はないものだろうか――。そこで、岸田政権に消費税の軽減税率引き下げを主張するのが、第一生命経済研究所の首席エコノミストの永濱利廣氏だ。

   永濱氏のリポート「岸田政権の物価高対策に対する評価(1)~需要喚起を優先すれば、補助金や給付金よりも減税の方が効果的~」(5月10日付)では、まず岸田政権が掲げている生活困窮世帯に対する給付金については、「需要喚起という意味では大きな効果は期待できないだろう」とする。

   また、ガソリン価格高騰を抑える補助金については、「給付金同様に需要喚起の効果は未知数。消費者ではなく元売りに補助金を出す仕組みになるため、ガソリンの小売価格がそのまま下がるとは限らない」と批判する。

   それに比べると、消費税の軽減税率引き下げは、

「もらえる人とそうではない人との不公平感が高い給付金や補助金よりも、使った人が恩恵を受ける減税のほうが需要喚起の効果が高いことになる。このため、特に物価高対策という意味では、ウクライナ戦争で物価高を余儀なくされる生活必需品の価格を抑制する消費税の軽減税率引き下げが効果的だといえよう」

と、訴えるのだった。

   ちなみに、永濱氏は、

「消費税というと、社会保障と紐づいているため下げられないという意見が必ず出てくる。しかし、消費税率を5%⇒10%に引き上げたことで得られた恒久財源13.2兆円のうち、社会保障に紐づいているのは8.2兆円であり、残りの5.1兆円は債務返済に回っている(図表2参照)。一方で、軽減税率は年間1兆円の財源があればマイナス2%分引き下げられる」

と、説明している。

(図表2)消費増税分の使途には社会保障には使われていない5.1兆円がある(第一生命経済研究所の作成)
(図表2)消費増税分の使途には社会保障には使われていない5.1兆円がある(第一生命経済研究所の作成)

(福田和郎)

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