「計画」は時間をかけないで、「行動量」を増やす
「P(計画)」に時間をかけないことだ。新入社員や若手に多いのが、「P(計画)」から「D(行動)」へ移るときのロスタイムだ。「D」の回数が「行動量」というキーワードだ。安藤さんは「何回やったのか」「1日に何時間できたのか」という量こそが大事だ、と強調している。
そこで、数をこなすためのすぐやる仕組みを導入する。それが、目標のための目標「KPI」という概念だ。直訳すると、「目標を達成するための数値化された指標」である。
上司は、基本的に部下のプロセスに口出ししないのが「識学」流だが、新人やどうしても結果が出ない人に対しては、最初にプロセスを管理する必要がある。そのため、「KPI」を設定して、すばやく「D」に移れるように環境づくりをする。
たとえば、「1年以内に商品化を1つ実現させる」という目標がある場合、「企画書を月4つ提出する」「毎週末に、新しい企画書を1つ仕上げる」という「KPI」を設定する。だが、「KPI」のほうが大きな目標であるかのように誤解されることもあるから注意が必要だ。そのため、「企画書を1カ月以内に1つ通す」「試作段階まで話を進める」など、次のステップにつなげるよう促す。
ここまでが「仕事ができる人」になるための5つのステップの、ステップ1「行動量」を増やすだ。
次がステップ2「確率」のワナに気をつける。何年かするうちに伸び悩むのは、達成率、契約率、成功率など、確率にこだわるからだという。量をこなすと、次は質にこだわるのは当然だが、量よりも質が上回り、「質を上げること」が目的になってしまうと、「働かないおじさん」への第一歩になってしまう。