大家さんにも入居希望者にも魅力的な理由
このように、大家さんにとっては、契約時および退去時に取り決めるべき項目が増えるという点で、面倒に感じることもあるかもしれません。しかし、交通利便性に劣るとか築年数が経っているなど、借り手がつきにくい物件では、空室対策として、検討する余地があります。DIYを認めることで、長期契約の可能性も高まりますし、退去後の付加価値の向上にも期待できます。
したがって、リフォーム費用を捻出できず、なかなか借り手がつかない、という物件を保有する大家さんには、有効な手段です。しかも現在、コロナ禍でテレワークやオンライン授業などに態様が変わり、オンもオフも自宅で過ごすことが多くなったユーザーニーズをとらえることにつながりそうです。一方で、ユーザーにとっても、DIYで手をかける代わりに、賃料を抑える可能性が高まります。なによりも、自分仕様という使い勝手のよさや居住満足度にもメリットが見出せます。
DIY型賃貸住宅は、契約後にも予期しないトラブルが起こる可能性は常にあります。でもそれは、一般の賃貸借契約も同じことです。
そのため、コロナ禍で空室期間が長引いている&利便性に劣るので借り手がつきにくいなどという賃貸物件については、このDIY型賃貸住宅でユーザーを募集してはいかがでしょうか。
また、賃貸を希望するユーザーも、居住に関する自由度が高いDIY型賃貸住宅を探してみるのも、一考に値するでしょう。
(中山登志朗)