最近、コロナ禍でひそかに人気急上昇中! 原状回復の必要ナシ「DIY型賃貸住宅」ってなんだ?(中山登志朗)

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大家さんにも入居希望者にも魅力的な理由

   このように、大家さんにとっては、契約時および退去時に取り決めるべき項目が増えるという点で、面倒に感じることもあるかもしれません。しかし、交通利便性に劣るとか築年数が経っているなど、借り手がつきにくい物件では、空室対策として、検討する余地があります。DIYを認めることで、長期契約の可能性も高まりますし、退去後の付加価値の向上にも期待できます。

   したがって、リフォーム費用を捻出できず、なかなか借り手がつかない、という物件を保有する大家さんには、有効な手段です。しかも現在、コロナ禍でテレワークやオンライン授業などに態様が変わり、オンもオフも自宅で過ごすことが多くなったユーザーニーズをとらえることにつながりそうです。一方で、ユーザーにとっても、DIYで手をかける代わりに、賃料を抑える可能性が高まります。なによりも、自分仕様という使い勝手のよさや居住満足度にもメリットが見出せます。

   DIY型賃貸住宅は、契約後にも予期しないトラブルが起こる可能性は常にあります。でもそれは、一般の賃貸借契約も同じことです。

   そのため、コロナ禍で空室期間が長引いている&利便性に劣るので借り手がつきにくいなどという賃貸物件については、このDIY型賃貸住宅でユーザーを募集してはいかがでしょうか。

   また、賃貸を希望するユーザーも、居住に関する自由度が高いDIY型賃貸住宅を探してみるのも、一考に値するでしょう。

(中山登志朗)

中山 登志朗(なかやま・としあき)
中山 登志朗(なかやま・としあき)
LIFULL HOME’S総研 副所長・チーフアナリスト
出版社を経て、不動産調査会社で不動産マーケットの調査・分析を担当。不動産市況分析の専門家として、テレビや新聞・雑誌、ウェブサイトなどで、コメントの提供や出演、寄稿するほか、不動産市況セミナーなどで数多く講演している。
2014年9月から現職。国土交通省、経済産業省、東京都ほかの審議会委員などを歴任する。
主な著書に「住宅購入のための資産価値ハンドブック」(ダイヤモンド社)、「沿線格差~首都圏鉄道路線の知られざる通信簿」(SB新書)などがある。
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