JTはロシア最大のたばこメーカー
JTは、2017年にインドネシアのたばこ会社(1万3296人)を、2018年にバングラデシュのたばこ会社(6005人)をそれぞれ買収したことで、2018年12月期には連結で6万3968人、単体で7457人まで増えました。
しかし、その後はM&Aなどもなく、2021年12月期末の従業員数は連結5万5381人、単体7154人に落ち着いています。
JTの従業員の平均年齢は微増傾向にあり、2021年12月期の平均年齢は43.4歳、平均勤続年数は18.3年に。平均年間給与(単体)は前期比68.3万円増の897万8793円と900万円台を目前としています。
JTの新卒採用サイトを見ると、総合職の場合、学部卒の基本給が21万7500円、これに地域手当が加算されて月給となります。賞与は年2回。2021年12月期は「為替一定ベースの調整後営業利益」で目標を大きくクリアしており、賞与も増えた可能性があります。
JTの収益の柱は、前述のように外国たばこ事業ですが、それだけにロシアのウクライナ侵攻が事業に影響を与える恐れがあります。なぜなら、ウクライナ中部に日本向け「キャメル」などを製造する工場があり、2月25日に操業を停止しているからです。
また、JTはロシアでも4か所の工場を稼働させており、ロシア最大のたばこメーカーとなっています。報道によると、ロシアとウクライナを含めた近隣諸国での利益は、JT全体の約2割。工場の稼働ストップやルーブル安が業績に与える影響は決して小さくないでしょう。その後、4月末には、ロシア事業売却検討、とも伝えられました。
JTの株価は2022年1月17日に2380円の年初来高値をつけましたが、2月14日の「株主優待制度の廃止」発表を受けて急落。さらにウクライナ侵攻で3月9日には2000円の年初来安値に。しかし、その後は値を戻し、直近では2300円前後で推移しています。(こたつ経営研究所)