欧米企業「全面撤退」相次ぐが、日本企業「脱ロシア」進まないのはなぜ? 株主の目「厳しい」海外、岸田政権「あいまい」日本

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米名門大のロシア進出企業実態調査、「日本企業は中国国営企業などと同列に...」

――たしかに、欧米ではロシアで営業を続けている企業に対する批判は非常に強いです。米エール大学経営大学院が毎日ホームページで更新しているロシア進出企業の実態調査では世界の企業約1000社の動向を1社1社丹念に調べていますが、事業を続けている企業に対するコメントが辛らつです。日本語にすると、「引き続きロシア企業に協力中」「普段と変わらず営業中」「さらにビジネスを拡大」「積極的にロシア人社員を採用」「釈明を拒否した」といった調子です。

担当者「けっこう厳しい表現です。エール大学経営大学院のサイトでは、日本企業がロシアに友好的な中国国営企業やインド企業と同列に見られています。ロシアで事業を続けることが、欧米ではどう思われているのか、経営者たちはこのサイトを見たほうがいいと思います」

――ロシアに進出している日本企業の動きは、今後はどうなるでしょうか。

担当者「ターニングポイントが大きく2つあると思います。まず、6月に集中する株主総会。ここで、『まだロシアで事業をやっているのか!』と批判されれば、撤退も考えざるをえなくなるかもしれません。また、今のところG7の経済制裁に参加しているとはいえ、ロシア・日本間のモノの動きの規制は欧米よりは緩やかですが、もっと制裁が厳しくなると、同じ制裁を課せざるを得なくなるでしょう。
もう1つは、ロシアが核を使うとか、一線を超えた場合です。そうなったら、いさぎよくあきらめるしかないでしょう」

   なお、調査は今年2月月時点でロシアに生産や販売の拠点がある上場企業168社を対象に、2022年5月17日にまでに、ロシアでの事業活動状況を聞いたものだ。

(福田和郎)

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