欧米企業「全面撤退」相次ぐが、日本企業「脱ロシア」進まないのはなぜ? 株主の目「厳しい」海外、岸田政権「あいまい」日本

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

ロシアとの取引は株主が「許さない!」

モスクワの赤の広場。人々の暮らしはどうなるのか
モスクワの赤の広場。人々の暮らしはどうなるのか

   しかし、このリポートでは、なぜ欧米企業と「温度差」があるのかよくわからない。そこで、J-CASTニュース会社ウォッチ編集部では、調査を行った帝国データバンクの担当者に話を聞いた。

――欧米の企業に比べてなぜ日本企業の撤退の数が少なく、またここに来て事業停止の動きが鈍化しているのでしょうか。

担当者「リポートでも指摘したレピュテーションリスクの意識が日本企業にはまだ低いのではないかと思います。欧米では、ロシアのような非道な振る舞いをする国と取引することは、何よりも株主が『許さない!』という傾向が強いです。
環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)に配慮した企業に投資する『ESG投資』の考え方が進んでいますから。企業側もロシアからの撤退によって受ける損失と、投資家から激しく突き上げられて企業イメージがダウンする損失を測りにかければ、早々と撤退したほうがリスクは少ないという計算もあるでしょう」

――日本の「ESG投資」はまだまだで、「もの言う株主」が少ないですからね。

担当者「それと、危機管理態勢に違いがあると思います。ヨーロッパは地続きなので、他国に進出する時は万が一に備えて常にカントリーリスクを把握し、計算したうえで行います。また、非常事態に備える国外危機管理保険をかけたり、事前に撤退する時の『出口戦略』を決めておいたりすることが多いと聞きます」
姉妹サイト