欧米に広がるインフレが日本を襲う心配も
一方、米国や欧州を覆っているインフレの可能性が日本にもある、と指摘するのは野村アセットマネジメントのマーケティングリポート「【エコシル】日本の1~3月期GDPはマイナス成長」(5月18日付)だ。
その根拠として、図表2のように、GDPデフレーターの動きを示している。経済が実際にどのくらい成長したかが判断するために、名目GDPを実質GDPに評価しなおすのが「GDPデフレーター」と呼ばれる指標だ。
数式で表すと、「名目GDP÷実質GDP=GDPデフレーター」となる。数字の見方としては、GDPデフレーターが1以上なら基準年と比べて物価が上昇(インフレ)、1未満なら物価が下落(デフレ)していることを意味するという。
リポートはこう述べている。
「世界でインフレが加速する中、これまで日本のインフ レは抑えられてきましたが、GDPデフレーターが前期比プラス0.4%と、2021年のマイナス圏からプラス圏に浮上しました。食品関連の値上げ発表などにあるように、輸入に頼る原材料の価格が高騰し、国内物価にもインフレが波及し始めた様子が確認できます。 インフレ動向は今後の金融政策に影響を与えるので、注視が必要です」