コロナ禍で在宅時間が増えたため、資格試験に挑戦する人が増加しているという。
本書「はぶく勉強法」は、資格試験の予備校を経営する講師が、できるだけムダな勉強をせずに合格する方法を伝授する本だ。
「はぶく勉強法」(並木秀陸著)秀和システム
受かる勉強をする人は勉強が嫌いだ!
著者の並木秀陸さんは、ナルミナスキャリア代表。大手広告会社を退社した後、司法書士、行政書士、社会保険労務士など多くの資格試験に合格。自らの体験をもとに資格試験の受験生を指導している。著書に「捨てる勉強法 試験は参考書の3割で一発合格できる」などがある。
本書では、落ちる勉強をしてしまうAさんと、受かる勉強をするBさんを対比する形で説明している。
左側がAさん、右側がBさんだ。
・勉強が好きすぎる ・勉強が嫌い
・ノートをきれいにまとめる ・適当に書いている
・過去問の解説を読み込む ・解法を読み込む
・長時間勉強する ・時短勉強をする
・10割完璧にしようとする ・2割だけは確実にする
これらの特徴からAさんは、「勉強にハマっている」人であることがわかる。自分はとてもレベルの高い、あるいは充実した勉強をしているという満足感から、勉強することが面白いと感じている。
ところが、ここに落とし穴があるという。試験に合格するための勉強から、いつのまにか目を背けがちになる。その道の専門家になるようなことまで勉強してしまうのだ。その結果として合格から遠ざかる。
一方のBさんは、専門家になるような勉強が嫌いだ。試験に合格するための勉強に専念する。そのため、こんなルールを決めていた。
・長時間の勉強はしない
・わからないことがあっても、まず一通り終わらせる
・自分がやっている勉強が、試験勉強に役立つものかどうかを意識する
並木さんは「満点を取らないといけない国家資格試験は一つもありません。ほとんどの資格試験が、おおよそ7割の得点を取れば、確実に合格できるようになっています。3割は間違えても、解けなくても合格できるのです」と強調する。