高まる天然ガス、LNGの重要性...設備投資再開の兆し
野村証券は2022年5月13日配信のリポートで、受注計画が「野村予想の4500億円を大きく上回り、カナダのLNGプロジェクトを受注した2019年3月期(9354億円)に次ぐ高水準」であることから「ややポジティブな印象」と指摘した。「採算管理を重視し、契約条項の交渉が丹念に行われている点も好印象」という。
SMBC日興証券も「決算の印象は全体としてポジティブ」と評価。LNG案件に関して日揮が「顧客の引き合いは増加しており、米国で計画中のLNGプロジェクトが前倒しで着工される可能性があるほか、東南アジアでも期待案件がある」と説明していることなどから、「市場環境全体は回復している印象」と指摘した。
日揮は今後の見通しについて「世界的な脱ロシアの動きによるエネルギー不足や調達先の多様化などによって、低・脱炭素社会の実現に向けた移行期間における安定的なエネルギー源として天然ガスやLNGの重要性が高まっており、顧客の設備投資が再開していくことが期待される」と説明している。
ウクライナ情勢によって世界のエネルギー環境は激変しており、日揮のプラント建設受注が拡大し、株価がさらに上昇する可能性はありそうだ。(ジャーナリスト 済田経夫)