「日本のスマホ代は、高すぎる!」。女優の米倉涼子さんが叫び声を上げる楽天モバイルの元気なテレビCM。今年7月からは見られなくなるかもしれない?
三木谷浩史・楽天グループ会長兼社長が2022年5月13日、楽天モバイルの最大のウリである「月額0円」の料金プランをやめると発表したのだ。理由は「ぶっちゃけ、0円でずっと使われても困る」からだとか。
楽天ユーザーの間では、「ぶっちゃけ、0円で使えないのなら他に替えるしかない」という猛反発の声が起こっているが...。
赤字1350億円、三木谷氏「0円ユーザーは正直、困る」
楽天モバイルは5月13日、7月1日から導入する携帯電話料金プランの見直しを発表した。
同社プレスリリースやサービス紹介ページによると、従来のプラン「Rakuten UN-LIMIT 6」では、データ通信の利用が1GB(ギガバイト)までの場合は月額「0円」が目玉だった。そして、1~3GBまでが1078円(税込み、以下同)、3~20GBまでが2178円、20GB以上の場合が3278円でデータ使い放題という料金体系だった。
それが、新プランの「Rakuten UN-LIMIT 7」では、1~3GBまでは1078円となり、3~20GBおよび20GB以上ではこれまでとは変わらない。7月1日から自動的に新プランに切り替わるため、「0円」の範囲で使っていたユーザーは1078円を支払うことになる(ただし、一定期間、データ利用量に応じたキャンペーンがあるようだ)。
5月13日は楽天グループの決算発表日だった。報道によると、楽天グループの2022年1~3月期決算(国際会計基準)では、モバイル事業の営業損益は1350億円の赤字となり、前年同期に比べ赤字幅が拡大した。2020年4月の携帯電話事業新規参入以来、赤字が続いており、今期が四半期としては最大の赤字幅で、楽天グループ全体の業績悪化につながっていると指摘されている。
記者会見では、「月額0円」を終了した携帯電話料金の新プランにも質問が出た。「0円のユーザーがいなくなり、熱量のあるユーザーがとどまる。少し経営のギアが変わってきたと考えるべきなのか」と問われた同グループ会長兼社長の三木谷浩史氏は、こう返答した。
「ぶっちゃけ、そういうこと。お金を0円でずっと使われても困っちゃう、というのがぶっちゃけた話かな。すごく正直に言って」
こう本音を明かしたのだった。