米国の金融引き締めへの警戒感が後退したことで、米長期金利の上昇に歯止めがかかった。米国株の下げが底入れしたとみられ、日経平均株価もジワリ、上がりそうな気配が......。
ただ、日米の金利差の拡大はまだまだ続きそうで、円安懸念は消えていない。
どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 米国株が底入れ!?
日経平均株価予想レンジ:2万6000円~2万7300円
2022年5月13日(金) 終値 2万6427円65銭
今週の東京株式市場の日経平均株価は、堅調な展開か。
前週の東京株式市場の日経平均株価は、米国の金融引き締めへの警戒感を背景に米国株が大幅下落したことを受け、大幅反落した。週末の13日には反発したものの、2万6500円を回復することができなかった。
今週の日経平均株価は、堅調な展開となりそうだ。2万7000円台回復を試す動きとなる可能性もある。日経平均株価の下げをけん引した米国株が、米国の金融引き締めの警戒感が後退したこと、米国の長期金利の上昇に歯止めがかかったことで反発に転じた。
米国株の下げが底入れしたことで、米国株の上昇に足並みを合わせ、日経平均株価も上げ基調をたどる可能性が高い。ただ、米国株の復調は米国の金融政策の行方次第であり、米国の経済指標の結果には十分に注意する必要がありそうだ。
東京外国為替市場 米国の経済指標に要注意
ドル・円予想レンジ:1ドル=127円00銭~132円00銭
2022年5月13日(金)終値 129円19銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、堅調な動きか。
前週のドル円相場は、ドルが反落した。米国の金利先高観を背景に一時は1ドル=131円台半ばまでドル高・円安が進む局面もあったが、米国の金融引き締めの強化が米経済の減速につながるとの見方が強まった。また、米国の経済指標が市場予想を下回る結果もあって、ドル売りが優勢となり、ドルは一時1ドル=128円台後半まで下落した。
今週のドル円相場は、ドルは堅調な動きとなりそうだ。米国の金融引き締めの行方に対する観測からドル・円相場が振られる展開となっているが、米国の金融政策の正常化と日本の低金利政策の継続という基本的な構造に変化はなく、ドル買い・円売りが継続するだろう。ただ、市場は米国の金融引き締めの行方に神経質になっていることから、米国の経済指標の結果には注意が必要だ。
経済指標は、国内では16日に4月の企業物価指数と工作機械受注、18日に1~3月期GDP(国内総生産)速報値、19日に4月の貿易収支と3月の機械受注、20日に4月の全国消費者物価指数などの発表が予定されている。
海外では、16日に中国の4月の鉱工業生産と小売売上高、17日に米国の4月の小売売上高、18日に米国の4月の住宅着工件数、19日に米国の4月の中古住宅販売などの発表が予定されている。
(鷲尾香一)