看護師の仕事は「利用者第一」のはずなのに
―― 一方、育休からの復帰経験者の中には、「焦ることはない」と寄り添う発言や、「病児シッターに預けなさい」「夫や双方の親と話し合いをしてワンオペ育児をやめる工夫を」というアドバイスもありました。
川上さん「投稿者さんが望む仕事に就くためには、やはり当然考えるべきことですね。職場から求められている仕事と投稿者さんが望む仕事との間にズレがあるのであれば、そのズレを埋めるための手段を考え出す必要があります」
――川上さんなら、ズバリ投稿者にこれからどのように仕事をしていったらよいか、アドバイスをしますか。
川上さん「投稿内容を拝見して、どうしても違和感を覚えてしまうのは、入居している施設利用者さんに対して、投稿者さんがなすべきことができているのかどうかが見えてこないことです。施設で仕事するうえで最も大切であり、看護師として最も気にしなければならないことは、利用者さんにご満足いただける仕事ができるか否かではないでしょうか?
少なくとも、ご自身の希望が叶えられないことへの不満ばかり先立って、利用者さんを第一に考えている様子がうかがえません。後輩や同僚、上司の方々が利用者さんのことを第一に考えているとしたら、やはり投稿者さんも目線をあわせる必要があります。
もし、ご自身の希望第一に考えているとしたら、職場で戦力として見なされないどころか、周囲に余計な業務負荷をかけるマイナスの存在になっている可能性があります。とくに、最も大きなしわ寄せがいく後輩は、つぶれてしまうかもしれません。連休中にマニュアル作成を依頼するようなことは絶対にやめるべきでしょう」
――なるほど。看護師の仕事では「施設利用者第一」という視点が最も大事なのに、それがまったく感じられませんね。
川上さん「投稿者さんがまずすべきことは、看護師として施設利用者さんにどんな看護を提供すべきかをイメージして、その実現のために自分ができることは何かを確認することです。そうすれば、そのためにどう仕事していくべきか、どのような人間関係を築いたらよいか、夫とどう共稼ぎ生活を続けていったらよいかが見えてくるはずです。
そのうえで、月に7日間早退・欠勤したとしても、投稿者さんが望む仕事で十分役に立てると考えるのであれば、その方法を職場側に提案していただきたい。それでも、職場側が一切耳を貸さないようであれば、転職を視野に入れることも検討してよいのではないでしょうか。
逆に、利用者さんを第一に考えた時、今の自分が最も役立てる仕事は単純業務だという結論になるかもしれません。その場合は、単純業務をしっかりとやり切ることです」