別の治療薬候補「レカネマブ」に注目集まる
普及のカギを握る米国の高齢者向け公的医療保険「メディケア」が2022年1月、保険適用を臨床試験の参加者に限る方針を表明、4月7日に正式決定したことで、販売は事実上困難になった。日本や欧州では承認されていない。
この間、エーザイの株価は下落基調をたどり、減損処理発表が最終的な株価下落の材料となった格好だ。バイオジェンは5月3日、ミシェル・ボナッソス最高経営責任者(CEO)の退任を発表。アデュカヌマブの販売が困難になったことの引責とみられている。
ただ、株式市場ではアデュカヌマブの失速は織り込み済みとの見方が多く、最終段階の臨床試験が進む別のアルツハイマー病治療薬候補「レカネマブ」が注目されている。
今秋にはデータが出そろうとされるレカネマブの動向次第では、株価が大きく反応することになりそうだ。(ジャーナリスト 済田経夫)