きょうは50代のRさんがいらっしゃっています。
「サラリーマン人生30年を迎えました。これからの時代、『個人で稼ぐ力をつけた方がいい』と聞きますが、私自身は独立志向がなく、このままどこかの組織に属しながら仕事を続けていきたいと思っています。サラリーマンにも『個人で稼ぐ力』は必要なのでしょうか。」
世の中の変化に適合する力が必要
「個人で稼ぐ力」って独立や起業する際に必要なイメージがあるかもしれませんが、独立思考がなくても、誰でも必要なことだと思います。世の中のビジネス環境はすさまじく変化していて、仕事もどんどん移り変わってきています。
たとえば、ひと昔にあった「ワープロ」はパソコンに変わり、ワープロを操作して文章を印字する「タイピスト」という職業自体なくなってしまいました。タイピストのように、いつの間にか消えてしまった職業は、まわりを見渡すとたくさんあると思います。逆に、「YouTuber」や金融資産系など、昔はなかった仕事が生まれてきていますよね。
もしかしたら、Rさんの仕事も未来にはなくなってしまう職業かもしれません。組織に属していたら安泰ではなく、今の時代に自分が持っている能力はマッチしているかを常に考えておかないといけないと思います。雇用延長、再就職をするにしても「今のスキルは組織にどう役に立つのか」「何かに変られてしまう仕事ではないか」と一度考えてみてはいかがでしょうか。
今あるスキルのいかし方を考える
それぞれが営業歴30年や経理歴30年など、長く培ってきたスキルがあると思います。たとえば、エンジニア歴30年のAさんとBさんがいたとして、それぞれスキルの活かし方が違うと思います。Aさんはプレーヤーとして、BさんはPM(プロジェクトマネージャー)としてやっていたら、持っているスキルが異なります。
プレーヤーだとしてもひとつの分野を極めるスペシャリストか、幅広い業務を担うゼネラリストかでもできることは違います。「この部分は得意だから」とその知識をいかしてコンサルタント、アドバイザーなどサポートする立場になる方もいます。
「これまで営業しかやってきたから営業しかできない」ではなく、多くの女性営業ウーマンのマネージメントをしてきたから、営業の部署ではなくても女性が多い職場のマネージメントにも活かせるのではないか......など、ちょっと幅を広げて考えてみてはいかがでしょうか。転職、独立を考えていなくても役に立つときはくるはずです。仕事に限らず、趣味でも当てはまることもあると思います。
「幸福の女神には前髪しかない」と言いますが、何かチャンスが来た時に「やったことがないけどやってみよう!」と言えるかどうかだと思います。自分のスキルの活かし方やその可能性を考えておくだけでも、チャンスがきた時に「できるんじゃないか!」と気持ちを後押ししてくれるかもしれません。
選択肢は無限大、だからこそ後悔しないこと
あらゆる場面でいろんなチャンスがやってくるかと思います。「まだ準備ができていないから今回はやめておこう」と思ったものの、他の人がうまくいっている姿を見て、「あの時、私もやっておけばよかった」と後悔することがあると思います。私は数えきれないほどあります(笑)。
しかし、後悔しても何も変わらないので、また次にチャンスが来た時のために準備しようと気持ちを切り替えましょう(と言いつつ、ひきずってしまうこともありますけどね)。
組織に属しているサラリーマンであっても、人生の選択肢を増やすためにはやはり、「個人で稼ぐ力」をつけること必要ですね !Rさん頑張りましょう。