「国家公務員総合職」採用試験6年ぶり増加&女性割合は過去最高41%...だが、申込者数低迷は変わらず「官僚離れ」深刻(鷲尾香一)

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   国家公務員総合職採用試験の2022年度春の試験申込者が過去最低だった前年度を上回り、6年ぶりに増加した。一方で、女性の割合は過去最高を更新した。国家公務員の不人気に歯止めはかかったのだろうか。

  • 「国家公務員採用総合職試験の申込状況」に注目(写真はイメージ)
    「国家公務員採用総合職試験の申込状況」に注目(写真はイメージ)
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ここ10年低下の一途...2020年度に2万人を割り込む

   人事院は2022年4月15日、「2022年度国家公務員採用総合職試験の申込状況について」を公表した。

   総合職採用試験は春と秋に実施しており、春は大学院卒者試験で9区分、大卒程度試験で11区分の試験を実施している。一方、秋の試験は大学院卒者の法務区分と、大卒程度の教育区分の試験となっており、申込者の8割以上9割近くが春の試験を受ける。

   春の試験申込状況は、全体で1万5330人と前年度を1020人(7.1%)上回った。内訳は大学院卒が1656人と同145人(9.6%)の増加、大卒程度が1万3674人と同875人(6.8%)の増加だった。

   国家公務員総合職試験の申込者は、2012年度には2万5000人を超えていたが、ここ10年間で低下の一途をたどっており、2017年度から5年連続で減少、2020年度には2万人を割り込んだ=表

   しかし、2022年度春試験では6年ぶりに増加に転じた。秋試験と合わせた年度の申込者数も増加に転じると見られている。

   女性の申込者数は、大学院卒者が495人、大卒程度が5821人、全体では6316人だった。女性の割合は、全体の申込者数の41.2%で、2年連続で4割を超え、過去最高となっている。

   女性の申込者は、大学院卒495人で、前年度から31人(6.6%)増加。大卒程度5821人で、同513人(9.7%)増加した。合計6316人で同544人(9.4%)増加した。

   込者全体に占める女性の割合は、大学院卒で29.9%、大卒程度で42.6%の合計41.2%で、2年続けて4割を超え、過去最高を更新した。

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
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