米国株が乱高下! FRBの硬直した利上げ姿勢は「世界経済最大のリスク」とエコノミスト指摘

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投資家の不安心理を表す「恐怖指数」も危険水域

   米国の高インフレが長期化するとの観測から投資家心理が冷え込んでしまった、と指摘するのは、野村アセットマネジメントのシニア・ストラテジスト石黒英之氏だ。

   石黒氏のリポート「FOMC通過後も波乱の展開続く株式市場」(5月6日付)では、こう述べている。

「高インフレが長期化するとの見方から、米10年国債利回りが5月5日に一時3.1%台にまで上昇し、金利の先高観を嫌気した売りが株式市場に広がったとみられます(図表参照)。投資家の不安心理を表す米ボラティリティ・インデックスも30台に乗せており、不安定な相場展開は今後も続きそうです」
(図表)S&P500種株価指数と米10年国債利回り(野村アセットマネジメントの作成)
(図表)S&P500種株価指数と米10年国債利回り(野村アセットマネジメントの作成)

   米ボラティリティ・インデックス(VIX)とは、「恐怖指数」とも呼ばれ、数値が「30」を超えると市場が不安定になるといわれる。石黒氏も木内氏同様、政策金利と中立金利の水準に注目し、こう述べている。

「FRBは景気が拡大も減速もしない中立金利水準を2~3%と推計していますが、年内にもFF金利(政策金利)が中立金利水準の上限に近づくと想定され、米景気にブレーキがかかり始める可能性もあります」
「もっとも、最近の株安により米国株の割高感が解消されたことは支援材料です。(中略)長期視点に立てば、米国株は、下値を複数回に分けて買いを入れる水準に入ってきたと考えられます」

   そうアドバイスしている。

(福田和郎)

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