一日に約100リットルの水を作る装置
現在、IZUMIせせらぎは、次のステップへ一歩踏み出している。それは、産業用の水を一日に約100リットル作る大型製水機の開発で、大量の水を必要とする場面で大きな力を発揮するはず。たとえば、災害時にトラックに積んだ移動用の製水機は、水耕栽培や水槽、養殖、屋上庭園や、この装置の特性を逆に生かして、湿気を嫌う工場などの設置でも有効で、その活用はこれからも増えていくとみられる。
また、水の性質を生かした新たな飲料水やコスメ商品なども考えられるかもしれない。
そもそも「IZUMIせせらぎ」は、取締役の石川佳照氏がインドで安全な水を得ることの難しさの実体験がきっかけで研究、開発され、製品化された。 空気から水を作ることは、凄いイノベーションが起きたことだ。しかし、この取り組みが凄いのは、今後の水の供給において、水道インフラを用いない、社会的な仕組みのイノベーションも起こしたことだと考える。
水道管がなくても、井戸がなくても、自由に水が使える社会になった時、さらなるイノベーションが生まれるのではないか。今後、アイハートジャパンはこれらの知見と技術をオープンイノベーションとして公開し、自社以外の組織や機関とパートナーシップを組み、さらなる発展に向かう、注目したい企業のひとつだと感じている。
(清水一守)