今回紹介するビジネス書「40代からは『稼ぎ口』を2つにしなさい 年収アップと自由が手に入る働き方」の著者、坂下仁さんは、非営利型一般社団法人「お金のソムリエ協会」を主宰する元銀行員。某メガバンク前身の大手銀行に新卒で入行し、25年以上にわたって最前線で働いてきました。
しかし、このままでは取り返しがつかなくなると40代後半で気づき、自己都合で退職して51歳で起業独立します。もちろん生きていくためにはお金が必要です。どのような方法で現在に至ったのでしょうか。
「40代からは『稼ぎ口』を2つにしなさい 年収アップと自由が手に入る働き方」(坂下仁 著)ダイヤモンド社
副業は日本の経済成長の切り札
本書で触れている副業のメリットは、やりがいやお金だけではありません。副業がうまくいくと、本業もうまくいくようになる、と坂口さんは言います。
「副業を始めると、学ぶ機会が増えたり、会社の同僚や顧客とは違う感覚の人と知り合ったりもします。従業員の立場では入手できなかった経営者マインドも身につきます。その結果、本業でも業務効率が改善し、残業時間も減る。まともな上司であれば、その実績を評価するはずなので昇格する可能性が高まります。副業は本業との相乗効果が高いのです」(坂下さん)
「おまけに副業とは、日本国民なら誰でもできる最高の社会貢献です。日本の経済が低迷する一因は少子化と高齢化に伴うGDPの縮小だといわれています。日本人の副業の平均月収は約7万円で、年収に換算すると約84万円です。すべての人が『副業ごっこ』を始めれば、GDPがその分押し上げられることになるのです」(同)
金は天下の回りものですから、私たちの財布に届くお金の量も増え始めます。その結果、プラスのスパイラルが生まれて、日本の経済が活性化されて、未来が明るくなるのです。その意味では、副業こそが日本の経済と未来を救う救世主だとも言えます。
「ではいったい、どんな副業をすればよいのでしょうか? 答えは『稼げるライフワーク』です。これは、お金を稼げるうえに、夢中に感じる『やりたいこと』、もしくは使命を感じる『やるべきこと』です。私たちは社会人になったときに、親から自立して自力で稼ぎ始めました。そして今度は、勤め先からも自立して稼ぐのです」(坂下さん)
サラリーマンは、構造的にお金持ちになれない仕組みになっています。それは、あなたの周りを見回せばわかるはずです。努力を重ねて昇給・昇進した人はいたとしても、その結果として、お金持ちになれた人や、働かなくても悠々自適の生活が送れるようになった人はいないはずです。