みなさん、こんにちは。馬医金満です。
デジタル庁の事務方トップである石倉洋子デジタル監(73)が近く退任することが、2022年4月23日に報じられました。体調不良などが理由だそうで、就任から1年足らずという短い期間で退くことになります。
突然のことで、デジタル庁の今後が少々気になります。
久しぶりのニュースが石倉デジタル監の退任
石倉洋子氏はもともとマッキンゼーにて勤めた経験もあり、経営コンサルタントの第一世代の一人として知られています。近年では一橋大学名誉教授や、資生堂や積水化学工業の社外取締役を歴任し、公職ではデジタル監就任時、政府の行政改革推進本部規制改革委員会委員などを務めた経歴もあり、組織改革などの手腕を期待されていました。 しかし、デジタルへの知見が少ないことや体調問題などがネックとなり、今年に入ってからは登庁機会や政府の会議への出席も減ってきていました。 ちなみに、後任にはデジタル庁の浅沼尚チーフ・デザイン・オフィサーを充てる方向で調整しているもようです。
「誰一人取り残さないデジタル社会の実現」という理想を掲げて昨年9月に発足したばかりのデジタル庁。菅義偉前首相の肝いりでしたが、発足後は存在感が薄いというか、どうもパッとしません。
そんなところに、久しぶりのニュースが石倉デジタル監の退任ですから、もうがっかり。個人的には、日本の低い成長性を底上げしていくという側面から、デジタル庁には大きな期待を寄せていたので、とても残念なことだと思っています。
トップの退任という問題以外にも、組織全体の問題も所どころ見られるようになっており、最近になって離職率が高いなどのデジタル庁の暴露記事をちょくちょく目にするようにもなっています。
報道によると、昨年9月の発足時、職員600人のうち3分の1を民間から採用したそうですが、その民間出身者が大量に辞めているというのです。その多くが、通信大手や外資系コンサルティングファームなどに転職しているらしいのです。
背景には、会議や打ち合わせばかりで仕事になんの進展がないことや、処理しなければならない書類が山のようにあるなど、おおよそ「デジタル庁」らしからぬ、いわゆる「お役所仕事」的な旧態依然からの働き方が続いていることへの不満が積もり積もっているようです。
さまざまな関係各所の利益を調整する、非常に難易度の高い仕事だとは思いますが、政治の「遺産」とならないように成果を見たいと思っています。
ではまた!
(馬医金満)