各国の株式市場は「中国の感染動向に、悪いシナリオ織り込み始める」
三井住友DSアセットマネジメントのチーフマーケットストラテジスト市川雅浩氏は、リポート「中国リスクへの警戒を強める株式市場」(4月27日付)のなかで、上海市だけでなく、北京市など重要都市にも「都市封鎖」(ロックダウン)の動きが広がっていることが今後の懸念材料だとする。
図表2は中国の都市別GDPランキングのトップ5だが、2位北京市、6位の江蘇省蘇州市にも現在、感染が拡大しているからだ。
「上海市では3月28日に東部からロックダウンが始まりましたが、約1カ月経過した現在も、全面解除は依然見通せない状況です。4月16日には江蘇省蘇州市と陝西省西安市で移動制限が始まり、北京市では4月25日から(中略)住民や区内への通勤者全員を対象としたPCR検査が開始されました」
「中国政府は原則として、感染者を徹底的に抑え込む『ゼロコロナ』政策を維持しており、(中略)感染者数が急増した場合は、ロックダウンの対象地域が広がることも想定されます」
しかも、中国の上海総合指数はここ数日で下げ足を速めている=図表3参照。市川氏はこう警戒する。
「日本では今週から3月期決算企業の決算発表が本格化していますが、各社が今年度の業績予想における中国リスクについて、どのような見解を示すのか、市場の注目が一層集まると思われます。なお、各国の株式市場は、中国の感染動向について、ある程度、悪いシナリオを織り込み始めており、短期的には軟調な動きが予想されます」