先進国でも「異常」な日本 都市住民比率は92%
さらに、地方の一部に残る古い性別役割意識も影響していると考えられます。
国土交通省の2020年の男女共同参画に関する世論調査によると、上京した女性の15%は出身地の人たちが「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方に賛同すると回答しています。地方での女性の就労意識が現代にそぐわず、低調なことがわかります。
ちなみに、東京都から転出した人が、どの自治体に移り住んだのかをみると、最も多かったのは神奈川県の9万6446人。次いで埼玉県が7万8433人、千葉県が5万8485人、大阪府が1万8801人、愛知県が1万3254人となっています。
東京都周辺や便利な大都市に移り住んでいるようで、テレワークが「場所を問わない」といっても、住まいとなるとやはり働きやすさや職場との距離が気になっているようにも思います。
日本の人口に占める都市住民の比率は世界各国と比べても非常に高いです。1950年は53%だったのが、2020年には92%に上昇しています。この数値は米国の83%、ドイツの78%などを上回り、主要先進国で唯一の90%台となっています。
このような事態が長期化すると、地方の経済がなくなってしまうのではないかと、その危険性を考えています。そうならないためにも、就労環境の整備と地方で働きたいと思う企業へのバックアップが重要だと考えています。
では、また!
(馬医金満)