値上げ後は売上、客数ともに前年増
ただ、値上げによって消費者がすき家の牛丼を敬遠することはなかった。
すき家の月次の既存店売上高は22年1月が前年同月比10.9%増、2月が11.4%増。そして、4月1日に発表した3月も11.4%増と、値上げ後に3か月続けて1割程度増え続けている。客数も1月が3.3%増、2月が3.3%増、3月が2.7%増と伸びていることから、消費者が値上げを受け入れ、定着している様子がうかがえる。
これに関連して、吉野家の既存店売上高も3月は11.9%増。大手2社に比べ苦戦している松屋も3月の既存店売上高は1.8%増と2か月ぶりにプラスに転じた。
かつて大手牛丼チェーンが値下げを競った時期より値段は高くなっているものの、ワンコインで並盛を食べられるというのは、外食産業の中ではまだまだ安いというところで、顧客離れを免れているのだろう。今後の業績次第ではさらに上値を追う可能性もありそうだ。(ジャーナリスト 済田経夫)