歩くことも自転車にも乗れなくなり...
また、全国の消費生活センターに寄せられた被害の事例をみると――。
【事例2】大変痛いトレーニングが我慢していたら、腰の骨に異常が
個人トレーナーが借りているレンタルジムでパーソナルトレーニングの指導を受けていた。指導中に、うつ伏せになって上体そらしをしながら腰の脇に手を置いて肘を伸ばした状態で、トレーナーに背中の肩甲骨あたりを押された。これを10回3セット行ったところ、腰が大変痛かったが、我慢して「痛い」とも言えず、その日は指導を受け続けた。
指導後、腰の左側にしびれの症状が出て、痛みがだんだん強くなってきた。1か月後に整形外科を受診し、(中略)投薬等で治療を受けたがよくならず、さらに1か月後にMRIを撮ったところ、「骨に異常がある」という診断を受けた。(2021年8月・50歳代女性)
【事例3】糖質カットの食事制限指導で上半身に湿疹が出た
インターネットで見つけたパーソナルトレーニングジムと契約した。食事制限が8割、運動が2割のメニューだった。食事は完全に糖質をカットし、毎日食べたものを写真に撮ってトレーナーにメールで送り、栄養管理のアドバイスを受けていた。
開始後3週間近くたった頃から上半身に湿疹が出始めて、糖質を少し摂ってみようということになり、食事内容を変えてみたが悪化してしまった。病院での検査の結果、「糖質制限による色素性痒疹(ようしん)だろう」と診断された。1か月経った現在は赤みもかゆみもなくなったが、茶色くあざのような跡が全体に残っている。(2021年6月・20歳代女性)
【事例4】きついスクワットをさせられ、日常生活もままならなくなった
5年前坐骨神経痛になったのを契機に、スポーツジムに通うようになった。昨年2か月間パーソナルトレーニングを受けた。自分には非常にきついスクワットをさせられ、内腿部分が筋肉痛のようになり、整形外科を受診。レントゲンを撮ったが骨には異常がなく、医師からは「持病の坐骨神経痛が出たのではないか」と診断され、治療を2か月以上継続しているが、改善がみられない。
今でもヒリヒリ痛くて、歩行も自転車も乗れない。自分ではこれは肉離れだと思っている。日常生活もままならず、家族の助けを借りて通院している状況。その後、ジムはやめている。(2021年1月・60歳代女性)