みなさん、こんにちは。馬医金満です。
急激な円安が止まりません。3月初めは1米ドル=115円台を維持していましたが、そこから1か月半ほどで120円台後半にまで下がってきて、4月20日にはとうとう、一時129円台を記録しました。じつに20年ぶりの円安水準です。
その原因は、日米の金利差にあります。米連邦準備制度理事会(FRB)は3月に政策金利を0.25ポイント引き上げ、0.25%から0.5%にするなど、金融引き締めに転じています。さらに積極的な利上げが必要との声もあり、利上げ観測が広まっています。一方の日本銀行は当面、金融の量的緩和策を継続する方針です。
それにより、ドルと日本円との金利差の拡大が意識され、円を売って金利の高い(利回りが稼げる)ドルを買う動きが広がっているというわけです。
やる? やらない?? 為替介入
急速な円安進行に、政府は懸念を強めています。鈴木俊一財務大臣は4月15日、価格転嫁や賃上げが不十分な状況で進む円安を「悪い円安と言えるのではないか」と、述べました。財務大臣自らが為替相場に言及するのは異例のことです。
この発言の意図には、あきらかに資源価格の高騰と、それに伴い輸入物価が上昇している今、さらに円安が拍車をかける状況が続けば、モノの値段が上昇して家計が打撃を受ける懸念がますます強まると考えます。不安が不安を呼び、増幅しているようすがうかがえます。
その一方で、政府による為替介入については、「130円台~140円台まで下落すれば政府は介入に踏み切る」という見方が広がっているようですが、それもなかなか難しいようです。
為替介入の方法には「単独介入」と、国同士による「協調介入」があります。あくまで一般的にですが、単独介入の場合は「協調介入」ほどの高い効果が期待できず、持続性もないといわれています。
過去の例では2011年3月の東日本大震災の発生を受けて、G7の金融当局による協調した円売り介入が実施されています。
また、日本が為替介入するには米国の「許可」が必要といわれているとされます。しかし、今の情勢下で米国が「許可」する可能性はあまり高くないのではないと思われます。もし、為替介入がある場合は日本だけの単独介入となるでしょうが、日銀だけの力で、現状の円安ドル高トレンドを転換させるほどの効果は期待できないように思います。