中途採用の新入社員女性が、入社後4か月で妊娠してしまった。「せっかく仕事を教えてきたのに...」と残念がる先輩女性の投稿が炎上気味だ。
先輩女性が後輩を祝福できない裏には、後輩女性の「態度」があった。面接では長く働きたいと言っていたのに、実のところは、産休育休を取った後、辞めるつもりだったらしいからだ。
「私は心が狭すぎでしょうか」との投稿に対して、「後輩こそ非常識」という声と、「妊娠=迷惑という意識では、女性の社会進出など無理」という批判が賛否を呼んでいる。専門家の裁定は?
出産がハンデになってしまう職場は多い?
<「入社してすぐ妊娠って、どうなの?!」 仕事教えていた先輩女性の投稿に賛否...心狭いのはどっち?会社の体制の問題?専門家に聞いた(1)>の続きです。
――背景には、女性社員が入社して比較的早い段階で妊娠してしまったことがあります。川上さんが研究顧問をされている、働く女性の実態を調べる「しゅふJOB総研」で、妊娠や出産をめぐる問題について調査したことがありますか。
川上敬太郎さん「結婚や出産は、働きたいと考える女性に大きな影響を及ぼしています。主婦層を中心とする就労志向の女性に、結婚・出産後の就職活動についてアンケート調査を行ったところ、『難しい』と回答した人が9割を超えました。
◇結婚・出産後の就職活動について
『難しい』と回答した人に理由を尋ねると、8割近くが『日数・時間・場所など家庭と両立できる仕事が少ない』と回答しました。ただでさえ仕事と家庭の両立が難しい日本の職場環境で、産育休によって長期間休業することが職場にマイナスの影響を及ぼすであろうことは、容易に想像できます。
実際、フリーコメントには『結婚後は、子どもは2年は作るな、と面接で言われた』『子どもの年齢や人数を聞いたあとの態度で、不採用に変わるのがわかる』という声も寄せられました。残念ながら、出産がハンデになってしまう職場が多いというのが日本社会の現実のようです」