「身体がしんどいし、屋外現場ではトイレが心配」
一方、こうした現場仕事のメリットとは裏腹に、デメリットに挙げられるのが「キツイ」ことだ。
現場仕事経験者に「現場仕事でキツイこと」を聞くと、ダントツで1位になったのが「身体がしんどい」だった=図表2参照。体力勝負で行う仕事だから納得の結果だが、1位の「身体がしんどい」人からはこんな声があがっている。です。
「『夏の昼間』と『冬の夜勤』は若くても体力的にキツイ」(20歳・男性)
「(重さが)20キロにもなる柵の束を担いで山を登らないといけなかった」(25歳・男性)
「鳶(とび)仕事は仕事がハードなのはもちろん、重量物を扱うので腰や背中をよく痛める」(36歳・男性)
「重いものを運ぶのでしんどい」「夏の暑さと冬の寒さがこたえる」などの回答が目立った。空調が効かない屋外の現場で作業することが多く、適切に休憩や水分をとっても「キツイ」と感じる人が少なくない。
2位の「人間関係が難しい」人からはこんな指摘があった。
「すぐに叱りつける上司が多い」(25歳・男性)
「会社にもよると思いますが、グループに入れないと仕事にならない」(39歳・男性)
現場仕事ではちょっとしたミスがケガなどの危険につながるため、新人を厳しく、キツイ口調で指導するベテランは多い。周囲の音に負けないよう、大声を張り上げて叱る人もいるため、初めは「怖い」と感じてしまう人もいるようだ。
3位の「衛生環境が悪い」は、現場仕事ならではの課題だろう。こんな声があった。
「埃や粉塵(じん)が凄くて、マスクをしていても喉がイガイガした」(22歳・男性)
「トイレが和式だったり、水洗ではなかったりする」(23歳・男性)
屋外の職場に共通してみられた意見は「トイレ問題」だ。仮設トイレに抵抗がある人や、トイレが遠い現場も多いからだ。
また、5位の「危険と隣り合わせ」も現場仕事ならではの悩みだ。
「高所作業もあり危険を伴う」(30歳・男性)
「機械設備や電気設備工事も関わってくるので、事故のリスクも増加します」(36歳・男性)
「一歩間違うと大事故につながるため、緊張感がずっと必要」(45歳・女性)
実際に、ヒヤリとする場面に遭遇した経験がある人も複数いた。また、「小さなケガは日常茶飯事」という声も寄せられた。
このように、メリットも大きい半面、デメリットも少なくない現場仕事。どういう人が向いているのだろうか。現場仕事経験者に「現場仕事が向いている人の特徴」を聞くと、1位「健康で体力がある」、2位「精神的にタフ」、3位「コミュニケーション能力がある」と続いた=図表3参照。「体育会系」の人は向いているのかもしれない。
調査は、現場仕事の経験者407人(男性361人・女性46人)を対象に、2022年1月30日から2月17日までインターネットでアンケートを行った。
(福田和郎)