「SNSで商品をPRしてくれれば、キャッシュバックを受けることができ、タダで使えますよ」
こんな虫のいい話にだまされて、タダになるどころか、余計な商品の代金まで支払わされる被害が増えており、国民生活センターは2022年4月14日、「『キャッシュバックで実質無料』『自己負担なし』などの勧誘に注意」という警告リポートを発表した。
いったい、どんな手口なのか。
タダで使えると思った「モバイルWi-Fi」「スマートスピーカー」が...
国民生活センターによると、SNSで「商品を宣伝すると、後からキャッシュバックが受けられる」と誘われたから、商品を購入してPRしたのに、返金されないという被害相談が相次いでいる。さらに、余計な商品の購入を勧められたり、場合によっては、解約しようとすると違約金を支払わされたりするケースもあるらしい。
こんな事例が代表的だ。
【事例1】モバイルWi-Fiとタブレット端末をPRすれば、実質無料で利用できると勧誘されたが、キャッシュバックが一度も振り込まれない
昨年秋、画像専用SNSのアカウントに、A社から「モバイルWi-Fiが無料で使えるモニターに興味があれば、無料通話アプリで連絡してほしい」とのダイレクトメールが届いた。ちょうどモバイルWi-Fiを使いたいと思っていたので、無料通話アプリのアカウントを追加登録すると、担当者からURL付きのメッセージが届いた。B社のモバイルWi-Fiとタブレット端末を契約して使い、SNSでPRすれば、A社からそれらの月額利用料金がキャッシュバックされるため、実質無料になるとのことだった。
A社の担当者から説明を受け、添付のURLから開いたサイト内でクレジットカード情報の入力などをした。その後、Wi-Fiルーターやタブレット端末が届き、クレジットカードから11月に約1万2000円、12月に約8000円が引き落とされた。しかし、商品をPRしているのに、A社からのキャッシュバックが一度も振り込まれない。無料通話アプリで問い合わせてみたが、明確な回答をもらえない。どうしたらよいか。(2022年1月・20歳代男性)
【事例2】スマートスピーカーのPRを依頼され、料金の負担はないと聞いていたが、商品が届かないまま利用料金がクレジットカードで決済された
画像専用SNSに「このSNS上で商品を宣伝するだけで報酬が得られる」とダイレクトメールが届いた。電話で話をしたいとのことで電話番号を教えると、後日相手から電話があり、「スマートスピーカーを送るので、一度でいいから投稿で商品を宣伝してほしい。スマートスピーカーの利用にはWi-Fiの契約が必要だが、それらの月々の利用料金はこちらが負担する」と言われた。
それならやってみようと思い、相手から届いたメールでのやりとりで契約した。その際、手続きに必要と言われて、クレジットカード番号を登録した。その後、商品は未だに届いていないが、スマートスピーカー等の契約先事業者名で、月々の利用料金がクレジットカード決済されている。聞いていた話と違うので解約し、返金を求めたい。(2021年11月・30歳代女性)