米ドル円相場は、米国の利上げ幅の拡大懸念に伴い、日米の金利差の広がりが見込まれ、ドル買い・円売りが優勢になっている。それにより、約20年ぶりのドル高水準にあり、警戒感が強まっている。
一方、中国の新型コロナウイルスの感染再拡大は都市封鎖が続いており、中国経済の悪化懸念が広がっている。ウクライナ情勢も不透明だ。
どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 3月期の決算発表はじまる
日経平均株価予想レンジ:2万6500円~2万7500円
2022年4月15日(金) 終値 2万7093円19銭
今週の東京株式市場の日経平均株価は、もみ合いか。
前週の東京株式市場の日経平均株価は、3週間ぶりに反発した。米国のインフレがピークアウトするとの見方が強まったことを背景に、米国の長期金利が低下したことが手掛かり材料となった。
今週の日経平均株価は、2万7000円を挟んだもみ合いとなりそうだ。懸念材料となっていた米国のインフレに対しては、3月の消費者物価指数が40年ぶりの高い伸びとなったが、食品・エネルギーを除いたコア指数の伸びが市場予想を下回り、インフレがピークアウトするとの見方が強まっている。同時に、米国の長期金利も低下傾向にあるが、米国の利上げ幅の拡大に対する懸念が払しょくされたわけではない。
さらに、新型コロナウイルスの感染拡大による中国の都市封鎖で中国経済の悪化が懸念されていること、またウクライナ情勢の先行きも不透明なため、日経平均株価が大きく上昇するような手掛かり材料には乏しい。
一方で、米国に続き、国内でも3月期の決算発表が始まることから、個別物色の動きが強まりそうだ。
東京外国為替市場 ドル上値は重くなってきている
ドル・円予想レンジ:1ドル=125円00銭~127円50銭
2022年4月15日(金)終値 126円35銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルの堅調地合いが継続か。
前週のドル円相場は、日米の金利差拡大を背景に一時1ドル=126円68銭まで上昇し、約20年ぶりのドル高水準となった。
今週のドル円相場は、ドルの堅調地合いが継続しそうだ。米国ではインフレ圧力の高まりとともに、利上げ幅の拡大観測が強まっている一方で、国内では日本銀行の黒田東彦総裁が金融緩和政策の継続を明確にしていることで、日米の金利差を背景としたドル買いが継続するだろう。
ただ、約20年ぶりのドル高水準となっていることで、警戒感も強まっており、ドルの上値は重くなってきている。このため、経済指標の結果には神経質な動きとなることが予想される。
経済指標は、国内では19日に2月の鉱工業生産確報、20日に3月の貿易収支、22日に3月の全国消費者物価指数などが予定されている。
海外では、8日に中国の1~3月期GDP(国内総生産)と3月の鉱工業生産、3月の小売売上高、19日にIMF(国際通貨基金)世界経済見通し、米国の3月の住宅着工件数、20日に米国の3月の中古住宅販売、ベージュブック(米国地区連銀経済報告)などが予定されている。
(鷲尾香一)