2022年4月から大きく変わった「住宅ローン控除」...家買いたい人にどんなメリットが? 専門家が仕組みと内容解説!【2】(中山登志朗)

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手厚い「住宅購入支援」で、住宅購入は引き続き追い風

   このように、今年度からは住宅ローン減税の仕組みがより細分化されました。住宅の省エネ性能や住宅ローン元本上限、世帯の所得上限にも違いが設けられましたから、ご自身が購入を希望される住宅の「種類」や条件を正確に把握し、個別に異なる控除の仕組みについて理解しておく必要があります。

   また、この住宅ローン減税の仕組みにくわえて、住宅購入目的の贈与税の非課税枠が1500万円まで設定されており、さらには「こどもみらい住宅支援制度」も新設されていて(詳細は省きますが)、対象者には住宅購入などについて100万円~最大250万円までの補助金が支給されます。

   なお、中古住宅の購入者に対しては、「長期優良住宅化リフォーム推進事業」によって、住宅性能を引き上げるリフォームを実施した場合に、補助金が支給される仕組みも用意されています。

   これらの手厚い「住宅購入支援セット」によって、2022年度も住宅購入に関しては引き続き追い風が吹いていることがご理解いただけたと思います。

   住宅ローン控除が引き下げられた、改悪だと悲観することなく、これらの制度内容を把握&活用することによって、住宅購入に向けてのハードルは確実に下がると思われます。今後は良質な(長寿命な)住宅を購入して適切なメンテナンスを実施することが、結果的に永く、そして、コスパよく住めるということになりそうです。

(中山登志朗)

中山 登志朗(なかやま・としあき)
中山 登志朗(なかやま・としあき)
LIFULL HOME’S総研 副所長・チーフアナリスト
出版社を経て、不動産調査会社で不動産マーケットの調査・分析を担当。不動産市況分析の専門家として、テレビや新聞・雑誌、ウェブサイトなどで、コメントの提供や出演、寄稿するほか、不動産市況セミナーなどで数多く講演している。
2014年9月から現職。国土交通省、経済産業省、東京都ほかの審議会委員などを歴任する。
主な著書に「住宅購入のための資産価値ハンドブック」(ダイヤモンド社)、「沿線格差~首都圏鉄道路線の知られざる通信簿」(SB新書)などがある。
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