コロナ前の10倍普及進んだテレワーク...働き手の評判は?企業側の感じたメリット・デメリットとは

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デメリットは「社内コミュニケーションが減少する、意思疎通が困難」

   帝国データバンクの調査「企業がテレワークで感じたメリット・デメリット」は、有効回答企業数1837社で、2022年2月4日~8日に行われた。

   それによると、企業のテレワーク実施状況は、「実施していない」が61.5%、「実施している」が31.5%だが、詳しく見ると「テレワークを実施:デメリットのほうが多い」が16.4%、「テレワークを実施:メリットのほうが多い」が15.1%だった。

   企業にとって、テレワークの実施は、微々たる差ではあるものの、デメリットが上回ったかっこうだ=図表3参照

(図表3)企業のテレワーク実施状況(帝国データバンクの作成)
(図表3)企業のテレワーク実施状況(帝国データバンクの作成)

   テレワークを実施している企業について、規模別にみると、大企業は46.0%、中小企業は29.1%、うち小規模企業は19.8%と、規模が小さくなるほどテレワークの実施率が低い傾向にある。

   帝国データバンクの調査では、「テレワークでメリットが多いと答えた企業」にはメリットを、「テレワークでデメリットが多いと答えた企業」にはデメリットをそれぞれ聞いた。

   これを見ると、メリットは「通勤時間や移動時間を有効活用できる」(35.7%)、「新型コロナの感染を防げる」(15.2%)、「ワークライフバランスを実現できる」(13.0%)。一方、デメリットは「社内コミュニケーションが減少する、意思疎通が困難」(26.6%)、「できる業務が限られる」(19.3%)、「進捗や成果が把握しにくい」(14.6%)など、コミュニケーションにかかわる課題が挙がっている=図表4参照

(図表4)主なメリットとデメリット(帝国データバンクの作成)
(図表4)主なメリットとデメリット(帝国データバンクの作成)

   ほかに、調査に寄せられた声を見ると――。

メリット
・「安心・安全に仕事を行うことができる。仕事の進捗についても問題はない。通勤時間がないため、気持ちにゆとりができる」(サービス)
・「通勤時間の有効活用、ワークライフバランスの向上、雪の日などは交通事故のリスクアセスメントにつながる」(建設)
・「通勤時間の有効活用。通勤手当の削減。テレワークでの時間集中により業務効率アップ」(運輸・倉庫)
デメリット
・「社内コミュニケーションの減少、生産性が向上しているのか把握できない」(不動産、東京都)
・「顧客との関係では、細かな打合せがしにくいし、先方からも直接会っての打合せを希望される」(サービス)
・「従業員に適切な教育が施せない。プロジェクトチーム内のコミュニケーションに齟齬が起きる。また、臨機応変、綿密な顧客対応が行いにくい」(サービス)
・「仕事の進捗が把握できない・可能な業務に限界がある」(製造)

   そして、帝国データバンクは、こう結んでいる。

「テレワークを実施しながらも、デメリットのほうが多いと感じている企業は半数を超えていました。特に社内でのコミュニケーションの減少による影響を懸念している声が多くあがったほか、そもそもテレワークができる業務が限られている点や仕事の進捗を把握しにくい点もデメリットとしてあげられています。
近年は災害の多発に加え、感染症の流行など、企業が活動を継続するうえで脅威となるリスクが多くあります。テレワークはそうした非常時に企業が事業を継続できるようにする一つのツールとなるでしょう」
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