好きだから頑張るのはあたり前? 働くこと、生きることの意欲低下「社畜ゾンビ」にご用心【尾藤克之のオススメ】

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メンタルの疲れが心配な4月...疲れを感じる前に気づいて

   令和3年版自殺対策白書(厚生労働省)によれば、令和2年の自殺者数は2万1081人で、前年より912人増加しています。男性は11年連続で減少したものの、女性は2年ぶりに増加に転じたことが明らかになりました。40歳代、50歳代、60歳以上は、ピーク時から大幅に低下しているものの、20歳未満の若年層は近年上昇傾向にあります。

   また、「人口動態調査」によれば、1年でもっとも自殺者が多いのは、夏休みが終わる9月1日前後、2番目が新年度の4月だそうです。哲学者でありノーベル文学賞受賞者のバートランド・ラッセルは、『幸福論』のなかで次のように説いています。あなたの仕事の状況はいかがでしょうか。

「人間は疲れれば疲れるほど、仕事をやめることができなくなる。ノイローゼが近づいた兆候の一つは、自分の仕事はおそろしく重要であって、休暇をとったりすれば、ありとあらゆる惨事を招くことになる、と思い込むことである」(ラッセル『幸福論』)

   疲れを感じる前に、気づいてください。自分自身を客観視することが大切です。「社畜ゾンビ」にならないように最大限注意しましょう。

(尾藤克之)

尾藤 克之(びとう・かつゆき)
尾藤 克之(びとう・かつゆき)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。著書は『最後まで読みたくなる最強の文章術』(ソシム)など19冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も連載中。
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