あまりに急な円安で「正直、何もできていません」
対策を行っている企業からはこんな声があがっていた。
「円安については以前から危惧されていたため販売価格を見越して設定している。しかし設定していても利益が薄くなってしまうため、今後は経費削減と人員を最小にして回していこうと思う」(衣服身辺雑貨卸売、東京都)
「やむを得ず製品価格の値上げを行ったが、購買意欲を下げないか懸念している」(菓子製造小売、石川県)
「輸入品については、運賃も高騰しているためルートの精査も行っている」(精密機械器具卸売、東京都)
と、頭を悩ませている企業が多いが、なかにはチャンス到来という企業も。
「自社は海外顧客を多く抱えていることから、円安は売上増、利益増につながる。さらなる拡大で海外顧客比率を上げ、利益増を図りたいと思っている」(専門サービス、神奈川県)
一方、とくに「特に何もしていない」企業からはこんな声が。
「コスト管理と受注計画について、ある程度予測出来ているため、特段対応する必要はないと考えている」(機械器具設置工事、栃木県)
「輸出・輸入の両方あるが、ビジネス的に輸出超過であり、円安は利益拡大に繋がる。そのため静観している」(環式中間物等製造、京都府)
など、さまざまだが、
「あまりにも急な円安のため、『何もしていない』のではなく、何もできていないのが正直なところである」(医療用計測器製造、長野県)
と、なすすべもなく茫然としている企業もあった。